正規分布には、もうひとつ試験頻出の性質があります。独立な正規分布どうしの和と差です。
独立した正規分布どうしを足したり引いたりすると、その結果もまた正規分布になります。
ルールはこうです。平均は、足し算なら足す、引き算なら引く。
分散は、足し算でも引き算でも必ず足す。標準偏差は、分散を出してから√を取ります。
同じ正規分布N(μ,σ²)をn個独立に足すと、合計の平均はnμ、合計の分散はnσ²になります。
合計の標準偏差はσ×nではなく、√(nσ²)=σ√nです。ここが最頻出のミスポイントです。
さえ「差だから分散も引くのかな?」って思いがちだけど、ばらつきは足し引きどちらでも必ず増えるんだよ!
例題①:5秒間に歩く距離がN(6,0.5²)に従う人が、20秒(5秒×4回分)で歩く合計距離Xを考えます。
「Xが22m以上になる確率」を求めます。
Xは、N(6,0.5²)を4個足したもの。平均=6×4=24m、分散=0.5²×4=1、標準偏差=√1=1mです。
標準化するとZ=(22−24)/1=−2です。
P(X≥22)=P(Z≥−2)は、対称性からP(Z≤2)と同じで、0.9772(約97.7%)です。
例題②:1個あたりの製造時間がN(5,1.5²)に従う製品を、9個続けて作るとします。
合計時間の平均=5×9=45分、分散=1.5²×9=20.25、標準偏差=√20.25=4.5分です。
標準化するとZ=(54−45)/4.5=2。P(X≤54)=P(Z≤2)=0.9772(約97.7%)です。
例題③は「差」のパターンです。AさんはN(20,3²)、BさんはN(16,4²)の収穫量とします。
「AさんがBさんより多く収穫する確率」を求めます。差D=A−Bの分布を考えます。
平均=20−16=4。分散=3²+4²=25(引き算でも分散は足す!)。標準偏差=√25=5です。
求めたいのはP(D>0)。標準化するとZ=(0−4)/5=−0.8です。
P(D>0)=P(Z>−0.8)は、対称性からP(Z<0.8)と同じで、0.7881(約79%)です。
AさんがBさんに勝つのは、およそ8割の時間帯というわけです。
さえ超重要!差をとるときも分散は「引かずに足す」!標準偏差は分散を出してから√を取るんだよ!
ここまでで、第7章「確率変数と確率分布」が完了です!
7-1で確率変数と確率分布の考え方、7-2で期待値・分散・標準偏差を学びました。
7-3で二項分布と正規分布の形、そして今回7-4で確率の計算方法を身につけました。
記述統計から確率の世界に入り、確率変数と確率分布に到達した第7章。データを確率的に捉える視点は、データサイエンスの土台になります。
CHAPTER 7 完了!
次は第8章「データの収集」です。データの集め方を扱う章で、少しクールダウンして読み進められます。
さえ正規分布の確率計算、完走おつかれさま!ここは何度も読み返すほど、感覚がつかめてくる章だよ。次の章もまた一緒に頑張ろうね!
