ここからは、型を試す練習問題です。「〜のとき」に線を引いて分母を決め、枝をかけて割るだけです。
問題1:工場でA・B2台の機械が製品を作っています。全体の60%がA機械、40%がB機械製です。
A機械の不良率は2%、B機械の不良率は5%です。
抜き取った製品が不良品でした。この不良品がB機械で作られた確率は?
まず1,000個で考えます。分母は「不良品だったとき」です。
A機械の不良品:1,000×0.60×0.02=12個。
B機械の不良品:1,000×0.40×0.05=20個。
不良品の合計(分母)は、12+20=32個です。
欲しいのは「B機械の不良品」の枝なので、20÷32=5/8=62.5%。
B機械の生産割合は40%だったのに、不良品の中では62.5%まで跳ね上がっています。
不良率の高いB機械が、不良品の中で過剰に代表されているからです。
問題2:ある病気の検査で、有病率(病気の人の割合)は2%です。
感度(病気の人が陽性になる確率)は90%、偽陽性率(病気でない人が陽性になる確率)は5%です。
陽性だったとき、その人が実際に病気である確率を求めてください。
「陽性だったとき」が分母です。
病気:2×90=180。病気でない:98×5=490。
陽性の合計(分母)は、180+490=670です。
欲しいのは「病気」の枝なので、180÷670=18/67≒26.9%。
感度が90%もあるのに、有病率が低いと偽陽性の枝が本物を上回り、答えは3割未満になります。
本文の例題とまったく同じ、ベイズの「直感に反する」代表パターンです。ほかの練習問題は本編でも解けます。
さえ手を動かして枝をかけて割るだけ!慣れれば、本番でもすぐに答えが出せるようになるよ。
ここまでの4話をまとめましょう。
ベイズの定理は、「結果から原因を推測する」確率の公式でした。
具体例は、割合より人数で考えるのが圧倒的にわかりやすいのでしたね。
全確率の定理は、P(B)=P(A)×P(B|A)+P(A^c)×P(B|A^c)。Bが起こる経路をすべて足す式でした。
ベイズの定理の式は、P(A|B)=P(A)×P(B|A)÷P(B)でした。
事前確率が低いと、精度の高い検査でも、陽性のときに病気である確率は思ったより低くなります。
試験では「〜のとき」に線を引き、枝をかけて、欲しい枝で割る型を使えば速く解けます。
応用範囲は、医療診断、スパムフィルター、機械学習など幅広くあります。
次は『独立性の注意と総復習』です。
さえベイズの定理、計算しながら理解できたかな?この「型」を覚えれば、本番でも迷わないよ!
