ベイズの定理が画期的なのは、「結果から原因を推測する」ことができる点です。
条件付確率と似ていますが、向きが違います。
P(B|A)は「原因→結果」。病気のときに陽性になる確率で、ふつうにわかる情報です。
P(A|B)は「結果→原因」。陽性となったとき本当に病気である確率で、本当に知りたい情報です。
データとして手に入りやすいのはP(B|A)のほう。P(A|B)は直接には測りにくいのです。
ベイズの定理は、P(B|A)からP(A|B)を計算するための公式です。
医療診断、スパムフィルター、検索エンジン、機械学習など、応用範囲は幅広くあります。
どれも「結果から原因を推測する」場面です。現代のデータサイエンスの土台になっています。
さえ「結果から原因を考える」。この一言がベイズの定理のすべてだよ!
さて、統計検定3級は電卓が使える試験です。ベイズの問題には、いつも同じ解き方の型があります。
カギは、問題文の「〜のとき」「〜のうち」という言葉です。
この言葉がある場所が「分母」、つまりいま考えている集団を教えてくれます。まずここに線を引きましょう。
①「〜のとき」に線を引く(分母)②枝を「条件付き確率×事前確率」でつくる③欲しい枝÷全部の枝の合計。
%はそろっていれば整数のままかけてOK。電卓の打数が減ります。
練習してみましょう。喫煙者は0.3%、非喫煙者は0.1%の確率である病気にかかります。
ある集団の20%が喫煙者です。病気にかかったとき、その人が喫煙者である確率は?
まず「病気にかかったとき」に線を引きます。これが分母、「病気の人ぜんぶ」です。
喫煙者で病気:0.3×20=6。非喫煙者で病気:0.1×80=8。
病気の人の合計(分母)は、6+8=14です。
欲しいのは「喫煙者で病気」の枝なので、6÷14=3/7≒42.9%。
細かい小数をかけなくても、比が同じなら答えは変わりません。「6対8」をつくって割るだけです。
枝が何本に増えても、やることは「全部の枝を足して、欲しい枝で割る」だけです。
さえ「〜のとき」を見つけたら勝ち!型で覚えれば、本番でもあわてず解けるよ。
次回は、この型を使って練習問題を解き、ベイズの定理シリーズをまとめます。
