統計検定3級|流し読みレッスン 第124話

統計的な推測 ③ 標本平均と標本比率の標本分布

さえちゃん
さえ

ここでは、標本平均・標本比率の標本分布の性質を数式で確認して、シリーズをまとめるよ。この話で完結!

文字が少しずつ流れてくるから、クリック(タップ)かEnter、→キーで読み進めてね。←キーを押せば、一つ前まで戻れるよ。途中の【記憶タイム】では、紙とペンで用語を書いてみよう! Escキー(または「中断」ボタン)で、いつでも手を止められるよ。

予想学習時間:約3

Enter キーでも開始できます

第124話

統計的な推測 ③ 標本平均と標本比率の標本分布

0 / 34
速さ
統計検定3級|流し読みレッスン 第124話

統計的な推測 ③ 標本平均と標本比率の標本分布

前回、標本平均が確率変数であり、その分布が「標本分布」だと学びました。

今回は、標本平均の標本分布の性質を、具体的に見ていきましょう。

母集団から大きさnの無作為標本を取り、標本平均x̄を考えます。母平均μ、母分散σ²とします。

標本平均x̄の期待値は E(x̄)=μ、分散は V(x̄)=σ²/n です。

標準偏差で見ると σ/√n(シグマ割るルートn)になります。

さえ

数式が出てきたけど、難しいところは読み飛ばしてOK!イメージができれば十分だよ。

まずE(x̄)=μの意味。標本平均を何度も計算して平均を取れば、母平均と一致するのです。

標本平均は、母平均の「偏りなき推定値」。これが推定値として使える理論的な根拠です。

次はV(x̄)=σ²/n。標本サイズnが大きいほど、分散は小さくなります。

標本平均x̄の分布を表す左右対称の釣鐘型の曲線。標本サイズnが大きいほど山がとがりばらつきが小さくなる

標準偏差もσ/√nなので、nが4倍になれば標準偏差は半分です。

たくさんの人の身長平均のほうが、値は安定するはず。それを式で表したのがこの形です。

100人の平均と1万人の平均なら、後者のほうが真の母平均に近いと感じますよね。

ここで、3級を少し超えるけれど知っておきたい定理を紹介します。

中心極限定理:母集団がどんな分布でも、nが十分大きいとき標本平均x̄は正規分布に従います。

【記憶タイム】
中心極限定理
(ちゅうしんきょくげんていり)
標本サイズnが十分大きいとき、標本平均x̄は近似的に正規分布N(μ,σ²/n)に従う定理
✍ 紙に3回書いてみよう

母集団自体がどんな歪な分布でも、標本平均を集めれば正規分布の形になるのです。

もうひとつ、よく扱われるのが「標本比率の標本分布」です。

標本の中で、ある条件を満たす要素の割合が標本比率p̂(ピー・ハット)です。

【記憶タイム】
標本比率
(ひょうほんひりつ)
標本の中で条件を満たす要素の割合。記号はp̂(ピー・ハット)
✍ 紙に3回書いてみよう

標本100人中42人が支持と答えたら、p̂=42/100=0.42になります。

標本比率も標本のとり方で値が変わる確率変数。だから標本分布があります。

母比率をp、標本サイズをnとすると、E(p̂)=p、V(p̂)=p(1−p)/n です。

期待値は母比率と一致し、nが大きいほどばらつきが小さい…標本平均と同じ構造ですね。

「全国2,000人を対象に世論調査」というニュース、聞いたことがありませんか。

p≒0.5、n=2000なら、標準偏差は√(0.5×0.5/2000)≒0.0112です。

支持率50%を中心に±1.1%の範囲を示す数直線。標本サイズ2000人による誤差の幅4456±1.1%の範囲(内閣支持率の推定値(%))

つまり±1.1%程度の誤差で、母比率を推定できるということです。

日本国民1億人が相手でも、2000人の標本で実用的な精度が得られるのです。

さえ

2000人だけで±1.1%の精度が出るなんて、統計学の力を感じるよね!

では「統計的な推測①」のシリーズをまとめましょう。

統計的推測は「標本から母集団を推測する」営みで、推定と仮説検定の2つがありました。

母平均μ⇔標本平均x̄、母比率p⇔標本比率p̂は必ず区別する、という話もしましたね。

標本平均・標本比率は確率変数で、その確率分布が標本分布。これが本シリーズの核心です。

次回は『区間推定』。標本分布の性質を使って、誤差を含めた推定を行う方法を学びます。

さえ

パラメータと統計量の区別、標本分布の考え方…この土台があれば大丈夫。次は『区間推定』、お楽しみに!