前回は、標本から母集団を推測する考え方と、標本分布の性質を学びました。
今回はいよいよ「区間推定」。真の値を範囲で言い当てる技術です。
まず「点推定」と「区間推定」を対比してみましょう。
点推定は、1つの数値で母集団のパラメータを言い当てる方法です。
「100人の標本平均が170.5cmなら、母平均もだいたい170.5cm」という具合です。
シンプルでわかりやすい一方、点推定には誤差の情報がありません。
標本のとり方しだいで値は揺れるのに、それを示せないのが弱点です。
そこで登場するのが区間推定。範囲を持たせて答える方法です。
「母平均は169.3cm〜171.7cmの範囲」のように、幅を持って推定します。
この幅のことを「信頼区間」と呼びます。
実務では、点推定より区間推定のほうがずっと重要視されます。
「内閣支持率は42%」より「40%〜44%(95%信頼区間)」のほうが誠実な伝え方ですよね。
さえニュースで見る「支持率は◯%〜◯%」ってやつ、まさに区間推定だよ!正体を知ると面白いよ。
では、その「幅」はどうやって決めるのでしょうか。ここからが本題です。
鍵になるのは、正規分布の性質です。
正規分布には、平均を中心に「平均±1.96×標準偏差」の範囲に、全体の95%が入るという性質があります。
標準正規分布で言うと、Zが−1.96から+1.96の間に95%が収まるということです。
外側の両端には、それぞれ2.5%ずつが残ります。合わせて5%です。
この「95%」という数字こそが、95%信頼区間の名前の由来です。
さえ±1.96σで95%!この山の形、覚えてるかな?ここが信頼区間のいちばんの土台だよ。
標本平均x̄も、標本分布の中でこの正規分布の形にしたがって散らばります。
つまり、x̄を中心に同じ「±1.96×標準偏差」の考え方を当てはめられるわけです。
次回は、この考え方を使って実際に母平均・母比率の信頼区間を計算します。
