仮説検定シリーズ、第2話です。「珍しすぎる」の境界線をはっきりさせましょう。
前回、コインが10連続表なら「珍しすぎる」と感じました。
でも「どれくらい小さい確率なら珍しすぎるのか」、基準が必要です。
この基準を決めるのが「有意水準」です。記号はα(アルファ)で表します。
よく使われる有意水準は5%(α=0.05)と1%(α=0.01)です。
3級では、特に5%が基本になります。
有意水準5%の意味を、もう少し具体的に言い換えてみましょう。
「もし帰無仮説が正しかったとしても、20回に1回くらいは偶然珍しい結果が出てしまう」というラインです。
それより小さい確率の結果が出たら「偶然とは思えない」と判断するわけです。
さえ20回に1回は「たまたま」で起こっちゃうんだね。だから事前に境界線を決めておくんだ!
実は前回の9-2で学んだ「信頼区間」と、有意水準は裏表の関係にあります。
95%信頼区間は「真の値が含まれる確率が95%」でした。
有意水準5%の検定は「帰無仮説が正しくても5%は偶然外れる」という意味です。
つまり「100%-信頼度=有意水準」。同じ世界を別の角度から見ているのです。
有意水準を決めたら、それに対応する「棄却域」を確定します。
棄却域とは「観測値がここに入ったら帰無仮説を棄却する」と決めた範囲のことです。
検定統計量が棄却域に入れば「H0を棄却」、入らなければ「H0を棄却できない」と判断します。
標準正規分布で、有意水準5%(両側)の場合を見てみましょう。
±1.96の外側に、あわせて5%(両端それぞれ2.5%ずつ)が入ります。
検定統計量が±1.96の範囲内なら採択域(棄却できない)です。
±1.96より外側なら棄却域(H0を棄却)と判断します。
さえ図で見ると分かりやすいね!まん中の広いエリアが「採択域」、両端の狭いエリアが「棄却域」だよ。
次回は、この棄却域の「置き方」が変わる、片側検定と両側検定の違いを学びます。
