統計検定3級講座、いよいよ最終章「統計的な推測」の最後のテーマです。
この章では、集めたデータから母集団を推測する方法を学んできました。
最後のテーマは「仮説検定」。立てた仮説が正しいかを統計的に判断する方法です。
身近な例で考えてみましょう。
友人が「このコインは公平だよ」と言って、目の前で10回投げました。
結果はなんと、10回連続で表。あなたはどう思いますか?
おそらく「本当に公平?」と疑い始めるはずです。
さえ私も疑っちゃうかも!だって10連続表なんて、そうそう起きないもんね。
なぜ疑うのか。公平なコインで10連続表が出る確率は、(1/2)の10乗=約0.001。
つまり1000回に1回しか起きない、とても珍しい結果なのです。
「もし公平なら、こんなことは滅多に起こらないはず」→「だから公平じゃないのでは」。
この発想こそ、仮説検定の本質です。
この考え方を正確に運用するために、専門用語を2つ覚えましょう。
1つ目は「帰無仮説」。記号はH0(エイチ・ゼロ)で表します。
帰無仮説とは、検定で「否定したい仮説」のことです。
コインの例なら「このコインは公平である(p=0.5)」が帰無仮説です。
一見「これを否定したいの?」と感じるかもしれません。
でも仮説検定では「もし帰無仮説が正しかったら」と仮定して計算するので、これが出発点になります。
2つ目は「対立仮説」。記号はH1(エイチ・イチ)で表します。
対立仮説とは「主張したい仮説」のことです。
コインの例なら「このコインは公平でない(p≠0.5)」が対立仮説です。
「公平じゃないよ」というのが、私たちが本当に主張したい結論ですね。
さえ「否定したい」帰無仮説と「主張したい」対立仮説、セットで覚えるのがコツだよ!
仮説検定の流れは「H0が正しいと仮定して計算→確率がとても小さければH0を棄却→H1を採用」となります。
「敵を仮定して、その敵を倒す」ようなイメージです。
次回は、この「珍しすぎる」の境界線を決める「有意水準」と「棄却域」を学びます。
