今回は、区間推定でいちばん大事な「信頼区間の正しい意味」を整理します。
ここは初学者がとても誤解しやすいポイント。じっくり見ていきましょう。
「95%信頼区間が45.6%〜54.4%」と言われたとき、多くの人はこう考えがちです。
❌「真の母比率は、95%の確率でこの区間に入っている」
さえこれ、直感的にはすごく自然な考え方なんだけど……実は厳密には正しくないんだよね。
統計学(頻度主義)での正しい解釈はこうです。
⭕「同じ手順で何度も標本を取って信頼区間を作ったら、そのうち95%が真の値を含む」
違いのポイントは「確率の主語」です。
真の値(μやp)は、確率的に動かない固定された定数です。
動くのは「標本」と、そこから作られる「信頼区間」のほうなんです。
一部を取り出して、図でイメージしてみましょう。真の値は動かない1本の線です。
標本を取るたびに、信頼区間の位置は少しずつズレます。
いくつか作ってみると、ほとんどの区間が真の値を含みますが……
まれに、真の値を含まない区間もできてしまいます。
20本の信頼区間を作ったら、約19本(95%)が真の値を含み、約1本(5%)は外れる計算です。
なぜここまで厳密に区別するのか。3級の試験にも関わるので確認しておきます。
「真の値が確率的に動く」と考えると、固定された定数のはずの母数が揺れて見えます。
でも実際に揺れているのは標本のほう。信頼区間は、その標本から計算した結果にすぎません。
さえ「真の値が動く」んじゃなくて「区間のほうが動く」。ここだけは絶対に取り違えないでね!
選択肢の文章にこの違いが仕込まれることがあるので、正確な言い回しを覚えておきましょう。
それでは、区間推定シリーズ全3話をまとめます。
点推定は1つの値、区間推定は幅を持った範囲で答える方法でした。
95%信頼区間の鍵は、正規分布で±1.96×標準偏差の範囲に95%が入るという性質です。
母平均の95%信頼区間はx̄±1.96×(σ/√n)、母比率はp̂±1.96×√(p̂(1−p̂)/n)でした。
信頼度を高めると係数が大きくなり、区間の幅は広くなります。
標本サイズnを大きくすると、誤差の幅は狭くなります(√nが分母だからです)。
そして最大のポイントは「真の値が95%の確率で入る」ではなく「95%の区間が真の値を含む」でした。
さえ区間推定、おつかれさま!信頼区間の意味さえ押さえておけば、もう怖くないよ。
次は『仮説検定』——3級講座の最終シリーズです。
