ここまで実験研究の話が中心でしたが、最後に実際の現場での使い分けを整理しておきます。
まず、実験研究を選ぶ場面です。
因果関係を特定したいとき、本当にそれが原因なのかを確かめたいときに向いています。
新薬・新機能・新キャンペーンなど、新しい施策の効果を測りたいときにも使われます。
条件を操作することに、倫理的・経済的な問題がないことが前提です。
次に、観察研究を選ぶ場面です。
健康に害のある条件など、条件の操作が倫理的にできないときに使われます。
過去の購買履歴のような、すでに起きているデータを分析したいときにも向いています。
長期的な変化や、社会全体の傾向を見たいときにも観察研究が使われます。
実務的には、観察研究のほうが圧倒的に多く行われています。
ビジネスの現場では、すでに集まっているデータを分析することがほとんどだからです。
A/Bテストのような小規模な実験を除けば、本格的な実験研究はあまり行われません。
さえだからこそ、第4章の「相関は因果ではない」を心に留めておくことが大切なんだよね!
ここまでの2話をまとめましょう。
実験研究は、研究者が条件を操作してデータを取る研究でした。
観察研究は、自然な状態を観測するだけの研究でした。
処理群と対照群は、実験で必ず使う比較のセットアップでした。
プラセボは、心理的効果と純粋な薬の効果を分離するための工夫でした。
二重盲検法は、患者と医師の両方に本物・偽物を知らせない方法でした。
さえフィッシャーの三原則は、局所管理・無作為化・繰り返しの3つ!信頼できる実験の土台だったね!
実験研究と観察研究、それぞれの特性を理解して使い分けることが、信頼できるデータ分析の第一歩です。
次は『全数調査と標本調査』を学びます。全員調べるか、一部だけ調べるか、という新しい選択肢です。
