統計を使った調査には、大きく分けて「全数調査」と「標本調査」という2つのやり方があります。
この2つを理解するために、まず「母集団」と「標本」という基本用語を押さえておきましょう。
母集団とは、調査で知りたい対象の「全部」のことです。
「日本の有権者全員」や「ある工場で作られた全製品」が、母集団の例にあたります。
標本とは、母集団から取り出した「一部」のことです。サンプルとも呼ばれます。
有権者全員が母集団なら、無作為に選んだ2,000人が標本、というイメージです。
さえ「全部」が母集団、「一部」が標本。このセットは統計の基本のキだから、しっかり覚えてね!
母集団のすべてを調べる調査を「全数調査」、一部だけを調べる調査を「標本調査」と呼びます。
まずは「全数調査」から見ていきましょう。
全数調査とは、母集団のすべてを一人残らず・一個残らず、漏れなく調べる調査のことです。
これができれば、それ以上ない正確な情報が得られます。
日本でいちばん有名な全数調査といえば「国勢調査」です。
5年に1度、日本に住むすべての人と世帯を対象に行われる、国でもっとも重要な統計調査です。
1920年から続いていて、人口・世帯・職業・居住状況などを把握するために実施されています。
結果は地方交付税の配分や選挙区の区割り、行政サービスの計画など、社会のあらゆる場面で使われます。
全数調査は、理屈の上では完璧です。しかし、現実には大きな課題があります。
「調べる対象が多すぎてコストが見合わない」「そもそも全員に到達できない」という問題です。
さえ「みんな調べれば完璧」って思いがちだけど、「みんな」を本当に集めるのは、実はすごく大変なんだよ!
全数調査は、コストが高く実施頻度が低いという弱点があります。データ取得までも時間がかかります。
一方で、正確性は原理的に完璧という強みもあります。悉皆性が必須の調査や法定調査に向いています。
「全員を調べればいい」。理屈ではそのとおりですが、現実はそう単純ではありません。
さえ実はこの国勢調査、最近の調査ではある「意外な事実」が分かっているんだよ。次回のお楽しみ!
次回は、2020年の国勢調査を例に、全数調査の「現実」を具体的に見ていきます。
