標本調査では、母集団そのものを調べていないため、必ず誤差が生まれます。
この誤差は、大きく2種類に分けられます。「標本誤差」と「非標本誤差」です。
まずは標本誤差から見ていきましょう。
標本誤差とは、「全部ではなく一部を調べた」ことから必然的に生じる誤差です。
母集団から標本を取り出すたびに、選ばれる人や物が違うので、結果も少しずつ変わります。
今日選んだ2,000人の平均身長と、明日別の2,000人を選んだ平均は、ぴったり同じにはなりません。
これが標本誤差です。避けられない、構造的な誤差といえます。
重要なのは、標本誤差はサンプル数を増やせば小さくなる、という性質です。
さえサンプルが多いほど母集団に近づく。これ、フィッシャーの三原則の「繰り返し」と同じ発想だね!
続いて、非標本誤差です。
非標本誤差とは、「標本を取った」こと自体とは関係なく、調査のやり方や答え方に起因する誤差です。
無回答による偏り、質問の取り違え、入力ミス、対象リストの漏れなど、種類はさまざまです。
たちが悪いのは、非標本誤差はサンプル数を増やしても消えない、という点です。
標本誤差は計算で「だいたいこのくらい」と見積もれます。非標本誤差は気づきにくく、隠れがちです。
さえ「サンプル増やせば全部解決!」じゃないんだよ!非標本誤差は、調査設計の段階で気をつけるしかないんだ。
標本調査でとくに警戒すべきなのが「バイアス」、つまり標本の偏りです。
有名な失敗例が、1936年のアメリカ大統領選挙での世論調査です。
ある雑誌は237万人もの大規模サンプルを集めて選挙結果を予測しましたが、大きく外れてしまいました。
原因は標本の集め方でした。電話帳と自動車登録名簿から名前を集めたため、裕福な層に偏っていたのです。
「サンプル数が多くても、選び方が偏っていれば結果は狂う」。この事件が残した教訓です。
さえ237万人も集めて外れたなんて衝撃だよね。量より質、選び方が命ってことなんだ!
バイアスを避ける最も基本的な対策が「無作為に選ぶ」ことです。
標本にバイアスが混じると、正確な全体像は見えなくなります。サンプル数の多さでは解決しません。
ここまでの3話をまとめましょう。母集団は全体、標本はその一部でした。
全数調査は母集団すべてを調べる方法。標本調査は一部から全体を推測する方法でした。
標本誤差はサンプル数で対応できますが、非標本誤差とバイアスは調査設計の改善でしか防げません。
さえ母集団・標本・標本誤差・非標本誤差・バイアス。5つのキーワード、ちゃんと言えるかな?
次は『無作為抽出法』を学びます。バイアスのない標本を選ぶ、具体的な方法を見ていきましょう。
