確率変数と確率分布の感覚をつかむ、例題を1問やってみましょう。
コインを2枚同時に投げます。表が出た枚数を、確率変数Xとします。
問題は3つ。(1)Xが取りうる値 (2)確率分布表 (3)P(X≧1)を求めます。
さえ数式より先に「何が起きるか」を、頭の中で具体的にイメージしてみてね!
(1)Xの取りうる値からです。表が出た枚数なので、Xは0,1,2のいずれかです。
全く出ないか、1枚だけ出たか、2枚とも出たか。この3パターンですね。
(2)確率分布表を作ります。まずは全事象を書き出しましょう。
コイン2枚の全事象は{(表,表),(表,裏),(裏,表),(裏,裏)}の4通りです。
どの組み合わせも、確率は等しく1/4ずつになります。
X=0(表が0枚)は(裏,裏)の1通り。確率は1/4です。
X=1(表が1枚)は(表,裏)と(裏,表)の2通り。確率は2/4=1/2です。
X=2(表が2枚)は(表,表)の1通り。確率は1/4です。
表にまとめると、こうなります。
真ん中(X=1)が一番高い、山型の分布になりましたね。
合計は1/4+1/2+1/4=1。確率分布の条件②をきちんと満たしています。
(3)P(X≧1)を求めます。「Xが1以上」、つまりX=1またはX=2の確率です。
P(X≧1)=P(X=1)+P(X=2)=1/2+1/4=3/4になります。
これは「2枚のうち少なくとも1枚は表」の確率と同じ意味です。
さえ「少なくとも〜」、第6章で見た発想だね! 確率変数の世界でもちゃんとつながってる。
章の冒頭から、ここまでの内容を整理しておきましょう。
確率変数とは、試行の結果に数値を対応させた変数。記号はX,Y,Zなどでした。
確率分布とは、確率変数がどの値をどのくらいの確率で取るかを表すものでした。
確率分布の条件は、各確率が0〜1で、合計がちょうど1になることでした。
離散型確率変数は飛び飛びの値、連続型確率変数は連続的な値を取るのでした。
連続型では、特定の値ではなく、区間の面積で確率を考えるのでした。
記述統計と確率をつなぐ「確率変数」。この発想が、第7章全体の土台になります。
さえ確率変数、確率分布、離散型と連続型。ここまでで、もう第7章の入り口はクリアだよ!
次は「期待値と分散」を学びます。確率変数の「中心」と「ばらつき」を計算します。
第3章で学んだ平均・分散・標準偏差が、確率変数の世界にふたたび登場しますよ。
