前回は、確率変数と確率分布の考え方を学びました。今回は、その「中心」を測る期待値を学びます。
サイコロを1回振って出た目を、確率変数Xとします。
Xは1〜6のどれかで、それぞれの確率は6分の1です。
サイコロを何度も振って、出た目の平均を取るとどうなるでしょうか。
直感的には「真ん中あたりの値」に落ち着きそうですね。
実際に計算すると、(1+2+3+4+5+6)÷6=21÷6=3.5になります。
この3.5が、サイコロの期待値です。
期待値は、Xの取りうる値に確率をかけて、すべて足し合わせて求めます。
式で書くと E(X)=x₁p₁+x₂p₂+…+xₙpₙ です。
これは「値×確率」の合計。確率を重みにした平均、いわば「重み付き平均」です。
サイコロの場合、確率がすべて等しいので、単純な平均と同じ結果になります。
期待値は、確率分布の「重心」とイメージするとわかりやすいです。
さえ確率を「重さ」だと思ってみて!棒グラフ全体のバランスが取れる点が期待値だよ。
実際に式へ当てはめて計算してみましょう。
E(X)=1×(1/6)+2×(1/6)+3×(1/6)+4×(1/6)+5×(1/6)+6×(1/6)
=(1+2+3+4+5+6)×(1/6)=21×(1/6)=3.5
では、確率が等しくない場合はどうなるでしょうか。
「1の目が出やすい」不公平なサイコロを考えてみます。
1の確率は1/2、2〜6の確率はそれぞれ1/10とします。
E(X)=1×(1/2)+2×(1/10)+3×(1/10)+4×(1/10)+5×(1/10)+6×(1/10)
=0.5+0.2+0.3+0.4+0.5+0.6=2.5
公平なら3.5だった期待値が、不公平サイコロでは2.5まで小さくなりました。
さえ確率の重さがあるほうに、重心が引っ張られるんだね!
期待値は、確率変数の「中心」を表す値。「長く繰り返したときの平均」と考えても構いません。
さえ期待値のイメージ、つかめたかな?次は「ばらつき」を表す分散と標準偏差を学ぶよ!
次回は、確率変数の分散と標準偏差を学びます。
