二項分布に続いて、もうひとつの主役「正規分布」を学びます。
正規分布は連続型の確率分布で、釣鐘型のシンメトリックな曲線として現れます。
統計学でもっとも重要な分布と言われ、世の中のあらゆる場面に登場します。
身長・体重・血圧などの身体測定値、多人数のテストの点数。
機械の測定誤差、商品の重量や品質のばらつきなども正規分布に従いやすいです。
これらに共通するのは「多くの小さな要因がランダムに重なって決まる」という点です。
さえ身長は遺伝・栄養・生活習慣…無数の要因の積み重ねで決まるよね。そういう状況では結果が正規分布に従いやすいんだ。
正規分布はN(μ, σ²)と表記します。
μ(ミュー)は平均、σ²(シグマの2乗)は分散を表します。
平均170cm、標準偏差5cmの身長ならN(170, 25)と書きます。
正規分布の釣鐘曲線には、いくつかの大切な特徴があります。
平均μを中心に左右対称で、曲線のピークもμの位置にあります。
裾は理論上、無限に伸びながらゼロに近づいていきます。
曲線の下の面積を全部足すと、確率の合計である1になります。
μが大きくなると曲線は右にずれ、σが大きくなると横に広がって低くなります。
どんなμとσでも「左右対称の釣鐘型」という形そのものは変わりません。
正規分布の中でも特別なのが「標準正規分布」です。
μ=0、σ²=1の正規分布のことで、N(0, 1)と表記します。
標準正規分布が特別なのは、すべての正規分布をこの形に変換できるからです。
この変換のことを「標準化」と呼びます。
正規分布N(μ, σ²)に従うXを、Z=(X−μ)/σという式で変換すると、ZはN(0, 1)に従います。
この式、見覚えありませんか? 前回学んだaX+bの形(a=1/σ、b=−μ/σ)そのものです。
さえ第3章で学んだ偏差値も、本質は同じ標準化だったよね。異なる正規分布を共通のものさしに揃える、それが標準化の力!
標準正規分布の確率は、あらかじめ「標準正規分布表」にまとめられていて、3級の試験でも問題用紙に添付されます。
次は『68-95-99.7ルールと両者の関係』を学びます。
