前回、確率の3つの定義(古典的・頻度・公理的)を学びました。
今回は、3つの定義を比較し、確率の基本的な性質を整理します。
さえこのシリーズもいよいよ最終回!ラストまで駆け抜けよう!
まず3つの定義を並べてみましょう。
古典的確率は「場合の数を数える」方法。サイコロやくじが得意です。
頻度確率は「多数回の試行から相対頻度」を求める方法。打率や事故率が得意です。
公理的確率は「公理(ルール)から導く」方法。あらゆる場面に対応できます。
実務や試験では、場面に応じてこの3つを使い分けるのが現実的です。
ここからは、確率が満たす基本的な性質を見ていきます。
性質1「確率は0以上1以下」。P(A)は必ず0≦P(A)≦1の範囲に収まります。
「確率が1.5」「確率が−0.2」のような値は、絶対に出てきません。
性質2「余事象の確率」。P(A^c)=1−P(A)という公式です。
AとA^cを合わせると全事象になるので、この関係が成り立ちます。
「Aが起こる確率」より「Aが起こらない確率」の方が計算しやすい場面で使う技です。
性質3「和事象の確率」。P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)という公式です。
これは「確率の加法定理」と呼ばれます。
AとBが重なる場合、単純に足すと重なり部分を2回数えてしまうからです。
サイコロでA=偶数(2,4,6)、B=5以上(5,6)とすると、A∩B=1/6です。
P(A∪B)=1/2+1/3−1/6=4/6=2/3。A∪B={2,4,5,6}の4個と一致します。
もしAとBが排反なら、A∩B=∅なのでP(A∩B)=0。単純にP(A)+P(B)で計算できます。
さえ「排反なら足すだけ、重なるなら引く」。この感覚を持っておこうね!
ここまでのシリーズをまとめましょう。
試行は結果がいくつか考えられる行為。事象は試行の結果として起こる事柄でした。
事象の用語は、根元事象・全事象・和事象・積事象・余事象・排反・空事象でした。
確率の定義は、古典的確率・頻度確率・公理的確率の3つでした。
加法定理と余事象の公式、この2つの計算テクニックも押さえておきましょう。
さえ事象と確率、完走だよ!長かったけど、これで確率の世界の住人だね!
次は『事象と確率の練習問題』です。ここで学んだ知識を、実際に使ってみましょう。
