前回、事象に関する用語をベン図のイメージで整理しました。
今回は、いよいよ「確率」そのものの定義に入っていきます。
実は「確率とは何か」の答えは、歴史的に3つの定義が積み重なってきました。
さえ定義が3つもあるの!?ってなるよね。でも1つずつ見れば怖くないよ。
1つ目は「古典的確率」。18〜19世紀の数学者ラプラスが整理した定義です。
定義は「同じ可能性で起こる結果がN個あれば、各結果は1/N」というものです。
前提として、すべての根元事象が「同様に確からしい」ことが必要です。
サイコロなら、P(3が出る)=1÷6=1/6です。
P(偶数が出る)は、2,4,6の3通りなので3÷6=1/2になります。
古典的確率は「数えれば計算できる」のが強みです。サイコロやくじが得意です。
ただし「明日雨が降る確率」のように、同様に確からしいと言えない場面には使えません。
2つ目は「頻度確率」。統計的確率とも呼ばれます。
定義は「試行を多数回繰り返したときの、相対頻度の極限」というものです。
「実際にやってみて、何回中何回起きたか」の割合、とイメージしてください。
打率が3割の選手なら、1,000打席中300本ヒット、P(ヒット)≒0.300です。
背景にあるのが「大数の法則」。試行回数を増やすほど、相対頻度は真の確率に近づく法則です。
コインを10回投げると表が3回のことも(30%)ありますが、1万回なら50%に近づきます。
頻度確率は、打率や不良品率など、同様に確からしいと言えない場面でも使えるのが強みです。
ただし「1回しか起こらない出来事」には、繰り返しがなく使えません。
3つ目は「公理的確率」。数学者コルモゴロフが1933年に確立した現代的な定義です。
「確率とは何か」を定義せず、「確率が満たすべきルール」だけを決める発想です。
ルールは3つ。①非負性 ②全確率 ③加法性、と呼ばれます。
①非負性はP(A)≧0。②全確率はP(U)=1。③加法性は排反な事象ならP(A∪B)=P(A)+P(B)。
サイコロなら、各目1/6≧0で①、6×1/6=1で②が成り立ちます。
さえ3つの定義、どれも「確率って何?」への答え方が違うだけ。焦らずでいいよ!
次回は、この3つの定義を比較し、確率の基本的な性質を見ていきます。
