前回まで、独立性の考え方と、独立・排反・試行の独立性を学んできました。
今回は、練習問題で理解を定着させ、シリーズ全体をまとめます。
問題1「サイコロを2回振るとき、1回目が偶数かつ2回目が3以上になる確率は?」
サイコロを2回振る試行は、各回が独立です。
P(1回目が偶数)=3/6=1/2、P(2回目が3以上)=4/6=2/3(3,4,5,6の4通り)です。
独立なので乗法定理で掛け算。1/2×2/3=2/6=1/3が答えです。
問題2「サイコロを1回振り、A=『3が出る』、B=『5が出る』。排反か、独立か?」
(1)排反かどうか。3と5は同時には出ません。よってA∩B=∅、排反です。
(2)独立かどうか。P(A)=1/6、P(B)=1/6なので、P(A)×P(B)=1/36です。
排反なのでP(A∩B)=0。0≠1/36なので、AとBは独立ではありません。
「排反であって独立ではない」典型的な例です。この区別、もう迷いませんね。
さえ排反と独立、どっちも聞かれたら両方チェック!式に当てはめて丁寧に確認するのがコツだよ。
問題3「不良品率2%の製品を3個検査するとき、少なくとも1個は不良品である確率は?」
各製品の不良発生は独立とします。まず良品確率は1−0.02=0.98です。
3個とも良品の確率は0.98×0.98×0.98=0.98³≒0.9412です。
「少なくとも1個不良」は「3個とも良品」の余事象なので、1−0.9412=0.0588です。
1個ずつなら2%でも、3個チェックすると約5.9%の確率で不良に当たる計算になります。
独立な試行を繰り返すと、リスクが積み重なる。実務でも重要な感覚です。
問題4「赤玉4個・白玉6個の袋から、戻さずに2回連続で赤玉を引く確率は?」
非復元抽出なので、1回目で赤を引いた後は袋の中身が変わります。
1回目に赤:4/10=2/5。2回目に赤(赤が1個減って赤3個・白6個の計9個から):3/9=1/3。
答えは2/5×1/3=2/15≒0.133です。復元抽出より確率が下がっていますね。
さえ非復元だと、1回目の結果が2回目の条件を変えちゃうんだったね。これが試行が独立でない理由だよ。
ここまでの3話を整理しましょう。独立はP(A∩B)=P(A)×P(B)が成り立つ関係でした。
独立な事象の確率は、乗法定理を使って掛け算だけで求められます。
独立と排反は別物。排反は「同時に起こらない」、独立は「互いに影響しない」関係です。
排反な事象は基本的に独立ではありません。「Aが起きた」がBに強い情報を与えるからです。
試行の独立性は、ある試行の結果が別の試行に影響しないことでした。
復元抽出は独立、非復元抽出は独立ではない。「戻す/戻さない」に注目してください。
さえ独立と排反の区別、そして復元・非復元。この2つを押さえれば、この単元はばっちりだよ!
お疲れさまでした。「事象と試行の独立性」シリーズはこれで完結です。
次は『条件付確率』を学びます。「ある条件のもとでの確率」という、少し不思議な世界です。
