前回は「独立」の意味と、乗法定理P(A∩B)=P(A)×P(B)を学びました。
今回はまず、「独立」と「排反」という、混同しやすい2つの概念を整理します。
排反とは、2つの事象が同時には起こらない関係でした。式ではA∩B=∅、つまりP(A∩B)=0です。
一方、独立は「互いの確率に影響しない」関係で、式はP(A∩B)=P(A)×P(B)でした。
意味も式もまったく違います。「独立」と「排反」は別物だと覚えてください。
サイコロを1回振り、A=「偶数」、B=「奇数」とします。同時には起こらないので排反です。
では独立でしょうか。P(A)=1/2、P(B)=1/2なので、P(A)×P(B)=1/4です。
実際のP(A∩B)は0(偶数と奇数は同時に出ない)。1/4≠0なので、独立ではありません。
つまりこの例は「排反ではあるが、独立ではない」典型的なパターンです。
実は、排反な事象はほとんどの場合、独立にはなりません。
排反ならP(A∩B)=0、独立ならP(A∩B)=P(A)×P(B)。両方成り立つにはどちらかが0の確率でなければなりません。
「Aが起きた」とわかれば「Bは絶対起こらない」という強い情報になるので、独立とはいえないのです。
さえ「排反だから独立」って早合点しがちだけど、実はほぼ逆の関係なんだよ。試験でよく狙われるよ!
ここからは「試行の独立性」を見ていきます。事象だけでなく、試行にも独立という考え方があります。
試行が独立とは、ある試行の結果が、別の試行の結果に影響しない関係のことです。
コインを2回投げる試行は、1回目の結果が2回目に影響しないので独立です。
袋から玉を取り出す場面では、「戻すかどうか」で試行の独立性が変わります。
取り出した玉を戻してから次を引くのが復元抽出です。この場合、試行は独立になります。
戻さずに次を引くのが非復元抽出です。この場合、試行は独立ではありません。
具体例です。赤玉3個・白玉2個の袋から2回取り出し、両方赤になる確率を求めます。
復元抽出なら、1回目3/5、2回目も3/5(戻すので変わらない)。答えは3/5×3/5=9/25です。
非復元抽出なら、1回目3/5、2回目は2/4=1/2(赤が1個減るため)。答えは3/5×1/2=3/10です。
9/25=0.36、3/10=0.30。「戻すかどうか」だけで確率が変わってしまうのがわかります。
さえ問題文に「戻して」「戻さずに」と書いてあったら見逃さないでね!復元か非復元かで答えが変わるよ。
同じ試行を繰り返すことを反復試行と呼びます。反復試行は通常、各回が独立であることが前提です。
だからこそ(5/6)³のように、確率をそのまま掛け算できるのです。
次回は、独立性を使った練習問題に取り組み、この単元の総まとめをします。
