前回までに、事象と確率の基本、そして排反な事象を学んできました。
今回からは、確率の中でも特に重要な「独立性」を学んでいきます。
まず「2つの事象が独立である」とは、どういうことでしょうか。
事象AとBが独立とは、Aが起きたかどうかの情報が、Bの確率に影響しない関係のことです。
片方の結果を知っても、もう片方の確率が変わらなければ、独立といえます。
身近な例で確認しましょう。1枚目のコインの表裏と、2枚目のコインの表裏は独立です。
逆に、今日の天気と傘の売上は独立ではありません。雨なら傘が売れやすいからです。
「片方がわかると、もう片方の確率が変化するかどうか」が独立かどうかの分かれ目です。
この独立性を、確率の式でも定義しておきましょう。
事象AとBが独立であるとは、P(A∩B) = P(A) × P(B) が成り立つことです。
「AかつBの確率」が、「Aの確率とBの確率の掛け算」に一致する、という関係です。
この式は「確率の乗法定理」と呼ばれる公式の、独立な場合における特別な形です。
具体例で確認します。コインを2回投げ、A=「1回目が表」、B=「2回目が表」とします。
P(A)=1/2、P(B)=1/2。両方表になるP(A∩B)は、4通り中1通りで1/4です。
P(A)×P(B)=1/2×1/2=1/4となり、P(A∩B)と一致します。AとBは独立です。
独立が成り立てば、「AかつB」の確率はP(A)とP(B)の掛け算だけで求まります。
3つ以上の事象でも同じです。独立なA,B,Cなら、P(A∩B∩C)=P(A)×P(B)×P(C)です。
サイコロを3回振って1が1回も出ない確率は、各回が独立なので(5/6)³=125/216です。
さえ独立だからこそ、確率をそのまま掛け算していいんだよ!これが乗法定理の便利なところ!
逆に、独立でない事象の確率を掛けてしまうと、間違った答えになるので注意してください。
「掛け算していいかどうか」は、独立性が成り立っているかを必ず確認してから判断します。
さえ独立なら掛け算、これは確率計算の最強の武器だよ。次は「独立」と「排反」の違いを見ていくね!
次回は、この「独立」と、前回学んだ「排反」がどう違うのかを、じっくり整理していきます。
