前回は、ゴルトンが「平均への回帰」という現象を発見するところまで見ました。
今回は、その発見を受け継いだ2人の研究者、ピアソンとフィッシャーを紹介します。
ゴルトンの発見は素晴らしいものでしたが、彼自身は数学者というより観察と発想の人でした。
それを厳密な数学の枠組みに整理したのが、カール・ピアソンです。
ピアソンはロンドン大学の数学者で、ゴルトンに強い影響を受けて統計学の道に進みました。
1900年前後、彼はゴルトンが直感で見つけた現象を、数式で表現できる体系に作り直していきます。
ピアソンの代表的な貢献を見てみましょう。
ひとつは「ピアソンの相関係数」。rという記号で関係の強さを−1から+1で表す方法です。
もうひとつは「カイ二乗検定」。統計検定2級・準1級でも頻出の基本ツールです。
「標準偏差」という用語を定着させたのもピアソンです。
統計学の専門誌『Biometrika』を創刊し、統計学を学問として認知させる場もつくりました。
ピアソンの仕事で、ゴルトンの「面白い発見」は誰でも使える普遍的な学術へと進化しました。
1911年、ピアソンはロンドン大学に世界初の統計学の学科を設立し、次世代を育てました。
さえ相関係数も標準偏差も、実はピアソンが整えてくれた形をそのまま使っているんだね!
3人目に登場するのは、ロナルド・フィッシャー。彼によって統計学は現代の形に到達します。
フィッシャーは1919年からロザムステッド農事試験場で働き始めます。
肥料・品種・土壌・天候など、多くの要因が混じったデータをどう分析するかが課題でした。
そこで彼が生み出したのが「分散分析」。グループ間の違いを統計的に判断する手法です。
「最尤法」は、データが一番起こりやすいパラメータを推定する万能の方法です。
「実験計画法」は、ランダム化・反復・ブロック化など、信頼できる実験のための原則です。
「有意水準」、p<0.05という慣習を作ったのもフィッシャーでした。
これらは3級では深く扱いませんが、2級・準1級・1級で中心的なテーマになっていきます。
フィッシャー以降、統計学は「データから科学的な結論を引き出す学問」として確立しました。
さえ農業・医学・心理学…ジャンルを超えて使える方法をつくったのが、フィッシャーのすごいところだよ!
次は、ゴルトン・ピアソン・フィッシャー、3人のリレーを一つの表にまとめます。
