統計検定3級|流し読みレッスン 第71話

回帰直線に関する歴史 ① ゴルトンと「平均への回帰」

さえちゃん
さえ

ここでは、「回帰」という言葉が生まれた歴史をたどるよ。主役はゴルトンという研究者だよ。

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第71話

回帰直線に関する歴史 ① ゴルトンと「平均への回帰」

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統計検定3級|流し読みレッスン 第71話

回帰直線に関する歴史 ① ゴルトンと「平均への回帰」

今回は少し趣を変えて、「回帰」という言葉が生まれた歴史をたどります。

主役は19世紀イギリスの研究者、フランシス・ゴルトン。進化論のダーウィンのいとこです。

【記憶タイム】
ゴルトン
(フランシス・ゴルトン)
19世紀イギリスの研究者。ダーウィンのいとこ。「平均への回帰」の発見者
✍ 紙に3回書いてみよう

ゴルトンは「親の特徴はどれくらい子に受け継がれるか」という遺伝の研究に関心を持っていました。

1880年代、彼はおよそ200組以上の親子の身長を測定し、データにまとめます。

予想はシンプル。「背の高い親からは背の高い子が生まれるはず」。でも結果は違いました。

散布図にしてみると、ある不思議な現象が見えてきたのです。

親の身長と子の身長の散布図。回帰直線の傾きが緩やかで、子は親より平均寄りに分布する● 親子151.5193.5161185(子の身長(cm))(親の身長(cm))

非常に背の高い親(例:190cm)の子は、平均すると183cmほど。親より少し低めでした。

非常に背の低い親(例:155cm)の子は、平均すると163cmほど。親より少し高めでした。

つまり子の身長は、親より「全体の平均」に近づく方向に動いていたのです。

【記憶タイム】
平均への回帰
(へいきんへのかいき)
極端な値の次は、平均に近づく値になりやすい現象。ゴルトンが命名
✍ 紙に3回書いてみよう

ゴルトンはこの現象を英語で「regression」と名づけました。日本語では「回帰」です。

regressとはラテン語由来で「戻る・帰る」という意味。平均に帰ってくる様子から命名されました。

面白いのは、その後「回帰」という言葉が「直線をあてはめる方法そのもの」を指すようになったことです。

さえ

「回帰」って漢字ちょっとカタイけど、元は「平均に戻る」って意味だったんだね!

ここからは、平均への回帰が起きる身近な例を見てみましょう。

第1回のテストで満点を取った生徒が、第2回も満点を取れる確率は意外と低いものです。

多くの場合、第2回は少し下がった点数になります。極端な高得点には運の要素も含まれるからです。

逆に第1回で最下位だった生徒も、第2回は少し平均に近づく形で点数が上がることが多いです。

極端な結果には「その時の運」が含まれていて、次はその偶然が薄まりやすいのです。

ある年に大ブレークした新人選手が、翌年成績を落とす「2年目のジンクス」も同じ理由です。

能力が落ちたのではなく、初年度の「運が良かった部分」が翌年平準化されるだけ、というケースが多いのです。

「叱った生徒は伸び、褒めた生徒は下がる」という話も、実は平均への回帰にすぎません。

教師の介入があってもなくても、極端な点数の次は平均に近づく、という同じ傾向が起きるのです。

さえ

「叱ったから伸びた!」と思いがちだけど、実は平均への回帰かもしれないんだよ!

平均への回帰を知らないと、因果関係を読み違えてしまうことがあります。

次は、ゴルトンの発見を数学で整理した人物、ピアソンの登場です。