層別散布図が最も威力を発揮するのは「全体では見えにくい傾向が、層別にすると浮かび上がる」ケースです。
実際にデータを見ながら確認していきましょう。
ある中学校の生徒16人(男子8人・女子8人)の身長と50m走のタイムを調べました。
まずは男女を区別せず、全員をまとめて散布図にしてみます。
こうして見ると、身長が高い人ほど50mを早く走れそうだ、と読めます。
右肩下がりの、それなりにまとまった関係に見えますね。
では、同じデータを性別で分けて出力してみましょう。
点の色を、男子と女子で塗り分けました。
男子は、身長が高いほど50mのタイムが早くなる、はっきりした傾向が見えます。
一方の女子は、身長とタイムの関係がほぼ横ばいに見えます。
全体だけ見たときの「まとまった関係」は、実は男子側の傾向に引っぱられていたのです。
層別にすることで「2つのグループ間の差」と「グループ内の傾向」の両方が読めるようになりました。
これが層別散布図の最大のメリットです。
さえ「全体ではまとまって見えたのに、分けたら実は片方だけの傾向だった」なんてこと、よくあるんだよ!
層別散布図には、もう1つ面白い使い方があります。
「全体では相関がないように見える」のに「層別にすると相関が見えてくる」ケースです。
たとえば「年齢と病気のリスク」を全体の散布図で見ても、ぼんやりした関係しか見えなかったとします。
ここで「運動習慣の有無」で層別してみるとどうなるでしょうか。
運動なしのグループでは強い正の相関、運動ありのグループでは弱い相関が見えてくることがあります。
「もう1つの変数」が、関係性を整理するカギになるわけです。
さえ「全体ではぼんやり、でも層別にしたら明確!」という瞬間、データ分析でいちばん面白いところなんだよ!
第2章のヒストグラムでも、同じパターンが登場していましたね。
散布図でモヤッとした傾向しか見えないときは「もう1つの変数で分けてみたら、何か見えるかな」と疑ってみましょう。
それだけで、隠れていた関係性が浮かび上がることがあります。
次は、層別散布図がどんな場面で実際に使われるのかを見ていきます。
