前回までで、相関係数の3つの注意点がそろいました。最終話は、まとめとチェックリストです。
おさらいすると、①外れ値に弱い、②山なりの関係に気づけない、③異質なグループの混在、でした。
これらをふまえて、相関係数を使う前後に確認したいチェックリストを作りましょう。
チェック①:散布図を描いたか? CORREL関数の数字だけで判断せず、必ず視覚化します。
数字と散布図はセット。これが第4章を通しての一貫したメッセージでしたね。
チェック②:外れ値はないか? 前々回のこの図を思い出してください。
外れ値1点で、相関係数はおよそ0.05から0.62に変わりました。
外れ値があれば原因を考え、必要なら除外の有無、両方の値で報告します。
チェック③:関係は直線的か? 前回のこの山なりの散布図を思い出してください。
この形では相関係数はほぼ0でしたが、関係は明らかにありましたね。
山なり・U字型なら、相関係数では測れないだけで、関係がないわけではありません。
チェック④:異質なグループが混ざっていないか? 層別すると違う風景が見えるかもしれません。
全体では中程度、グループ別では非常に強い。そんなギャップもありましたね。
チェック⑤:結論は「相関係数」と「散布図」のセットで報告すること。
この5つを習慣にできれば、相関係数を正しい指標として安心して使えるようになります。
「数字を出して終わり」ではなく「数字を出してから、本当の分析が始まる」。
さえ数字と散布図、いつもセットで見るクセ。これだけ覚えておけば安心だよ!
それでは、第4章「2変数データの分析」全体を振り返ってまとめておきましょう。
注意点①:外れ値に弱く、たった1つで結果が大きく変わることがある。
注意点②:山なりの関係には気づけない。相関係数は直線的な関係しか測れない。
注意点③:異質なグループが混ざると見誤る。全体と層別で値が大きく違うことがある。
共通の解決策は、散布図と相関係数を必ずセットで見ること。この一言に尽きます。
相関係数は強力ですが、それ単体で完璧な答えをくれるわけではありません。
視覚(散布図)と数値(相関係数)を行き来する習慣が、データを正しく読み解く力を育てます。
さえこの5つのチェック、模試の記述問題でもそのまま使えるから、覚えておいてね!
次は『相関と因果』を学びます。
