第4章のファイナル。相関係数や散布図でデータの関係を見てきましたが、最後に大事な注意点を整理します。
相関があるからといって、原因と結果の関係(因果)があるとは限りません。
今回は「相関」と「因果」、似ているようでまったく違う2つの言葉を区別します。
まず「相関」から。一方の値が変わると、もう一方も変わる傾向がある関係でしたね。
同じ方向に動けば正の相関、逆に動けば負の相関。第4章でずっと扱ってきた関係です。
大事なのは、相関は「一緒に動いている」という事実だけを表す点です。
その動きの原因や仕組みまでは、相関は何も教えてくれません。
次は「因果」。Aが原因となって、結果としてBが起きる関係です。
「水をたくさん飲むと、トイレに行く回数が増える」は因果の例です。
水を飲むという原因が、トイレ回数の増加という結果を引き起こしています。
相関は「一緒に動いている事実」、因果は「原因と結果の仕組み」。ここが決定的に違います。
さえ「一緒に動いてる」と「原因と結果」は全然違うんだよ!ここを混同すると、データ分析で大きな間違いを犯すことになるからね!
「相関=因果」ではない。これがデータ分析でもっとも大切な原則です。
相関係数が高いからといって、すぐに「AがBの原因だ」と結論づけてはいけません。
ここでたとえ話をひとつ。「7×11×13=1001」を考えてみましょう。
材料(7・11・13)がわかっていれば、答えが1001になるとすぐ計算できます。原因がわかれば結果は簡単に出せるのです。
逆に「1001」だけを渡されて「何と何をかけた数?」と問われると、とたんに難しくなります。
世の中の分析は、たいていこちらの向き。結果から要素を逆算していくのが分析という営みです。
相関は「1001」に対して「どうやら7と関係がありそうだ」という手がかりをくれます。
けれども、その7が本当に1001を組み立てている因子、つまり因果なのかまでは教えてくれません。
さえ手がかり(相関)から本当の原因(因果)を突き止める作業は、因数分解みたいに骨が折れるんだよ!
今回のポイントを整理しましょう。
「相関」は2変数が一緒に動く関係。「因果」は原因と結果の関係。両者は別物です。
相関係数が高くても、それだけで因果があるとは言えません。
次は、相関と因果を取り違える典型パターン「疑似相関」を学びます。
