前回、相関係数を学びました。今回はその「注意点」を3話に分けて確認します。
相関係数はとても便利な数値ですが、実は落とし穴もいくつかあります。
今回のテーマは「散布図とセットで見る」ことと、「外れ値の罠」です。
まず大原則から。相関係数を計算する前には、必ず散布図を描いて確認しましょう。
ExcelのCORREL関数を使えば数値はすぐ出せます。でも、数字だけで判断するのは危険です。
元の散布図を見ることで、その「切り捨てられた情報」に気づくことができます。
それでは、1つ目の注意点「外れ値に弱い」を見ていきましょう。
平均値や標準偏差は、外れ値に弱い性質がありました。相関係数も同じ弱点を持ちます。
相関係数の計算にも平均や標準偏差が使われるため、外れ値の影響を強く受けます。
次の散布図を見てください。15人分のデータで、点はばらばらに散らばっています。
見た目のとおり、はっきりした右上がり・右下がりの傾向はありません。
この状態で相関係数を計算すると、およそ0.05。ほぼ無相関です。
ところが、ここに外れ値を1人だけ加えるとどうなるでしょうか。
オレンジの点が、新しく加わった外れ値です。右上に大きく離れています。
この1点を加えただけで、相関係数はおよそ0.05から0.62へジャンプします。
たった1つの点が、「無相関」を「中程度の正の相関」に変えてしまったのです。
外れ値があるかもしれないときの対処は、3つのステップで考えます。
①散布図で外れ値を視認する。②原因を考える(測定ミス・例外的事象・本物の特異値)。
③必要なら除外して計算し直すか、外れ値ありなしの両方を報告します。
重要なのは、外れ値を機械的に削除しないこと。「なぜ外れているか」を考えるのが基本です。
さえ相関係数が高いって喜ぶ前に、散布図を必ずチェックするクセをつけてね!
さえたった1つの外れ値で、結果がガラッと変わることもあるから油断禁物だよ。
ここまでのポイントを整理しましょう。
相関係数は必ず散布図とセットで見ること。そして外れ値の影響を疑うこと。
次回は、もう1つの注意点「山なりの関係」を見ていきます。
相関係数がほぼ0でも、実は明らかな関係があるケースを扱いますよ。
