偏差を2乗して「面積」として考える発想は便利ですが、困ったことが一つあります。
分散の単位が、元のデータと違ってしまうのです。
テスト点数の分散の単位は「点²」(点の2乗)です。身長ならcm²、年収なら円²です。
「点²」と言われても、直感的にイメージできませんよね。
B組の分散は200ですが、厳密には「200点²」。散らばりの感覚には結びつきません。
ここで平方根を取れば、面積から長さに戻したのと同じことになります。
9m²の正方形の一辺は3m、100m²なら10m。平方根=元の単位に戻す操作なのです。
これが標準偏差です。分散200の平方根を取ると、標準偏差は約14.14。単位は「点」に戻ります。
「平均から平均的に±14点くらい離れている」と、感覚的に読めるようになるのです。
標準偏差があると、平均値だけでは見えなかったデータに、幅を持たせて捉えられます。
さえ標準偏差の±の幅が大きいほど、データは全体的にばらついてるって判断できるんだよ!
分散と標準偏差、使い分けも見ておきましょう。
分散(s²)は単位が元の2乗。計算上の便利さや、理論的な扱いに向いています。
標準偏差(s)は単位が元と同じ。実際の散らばりを直感的に把握するのに向いています。
実用的には、標準偏差を使う場面が圧倒的に多いです。
「平均±標準偏差くらいの幅にデータが散らばっている」という読み方ができるからです。
分散は「面積」、標準偏差は「長さ」。両者は表裏一体の関係です。
さえ「面積で計算→長さに戻して読み取る」って流れ、しっかりイメージできたかな?
それでは、このシリーズのポイントを整理しましょう。
散らばりの尺度:平均が同じでも分布が違えば意味は違う。それを数値で表す手法です。
6ステップ:①平均→②偏差→③2乗→④平均→⑤分散→⑥平方根で標準偏差でしたね。
2乗する意味:散らばりを「面積」として捉え、外れ値の影響をはっきり反映させるためでした。
標準偏差に戻す意味:単位を元のデータと同じにして、直感的に読み取れるようにするためでした。
記号は、分散=s²、標準偏差=s。この2つを整理して覚えておきましょう。
分散と標準偏差は、平均値と並んでもっともよく使われる統計量のひとつです。
Excelで実際にデータを入れて計算してみると、6ステップが一気に体感できるはずです。
さえ実際の計算は、Excel補助資料で確認してね!VAR.P関数とSTDEV.P関数を使えば一発だよ!
次は「データの標準化と変動係数」を学びます。
