これまで、平均値・分散・標準偏差を学んできました。
今回は、これらを使って規模や単位の違うデータを比較する方法を学びます。
例えば、英語75点・数学85点。どちらの教科の成績が良かったといえるでしょうか?
あるいは、A支店の標準偏差50万円・B支店30万円。どちらの売上が安定していますか?
これらの問いに共通するのは「生の数字をそのまま比べてはいけない」という点です。
平均や標準偏差が違えば、同じ点数・同じ金額でも意味合いが変わってくるからです。
この「規模や単位の違いを越えて比べる」ための手段が、zスコアと変動係数です。
まずはzスコアから見ていきましょう。
データの標準化とは、データを「平均0、標準偏差1」という共通の物差しに乗せ替える操作です。
標準化して得られた値を「zスコア」または「Z値」と呼びます。
zスコアの計算式はとてもシンプルです。
z=(データの値-平均値)÷標準偏差。偏差を標準偏差で割るだけです。
zスコアは「平均から標準偏差の何個分離れているか」を表します。
z=0なら平均と同じ。z=+1なら平均より標準偏差1個分上です。
z=+2ならかなり高い、z=-1、-2ならその分だけ低いという意味です。
標準化後のデータは、必ず平均0・標準偏差1になるという性質を持ちます。
では実際に計算してみましょう。あるテストの平均は70点、標準偏差は10点でした。
Aさんの点数は80点。Aさんのzスコアを求めてみます。
公式に当てはめると、z=(80-70)÷10=10÷10=1.0。
Aさんのzスコアは1.0。「平均より標準偏差1個分上」を意味します。
10点という絶対的な差ではなく、散らばり具合の中での立ち位置を表しているのです。
さえ偏差値も実はzスコアから計算してるんだよ!「偏差値=50+10×z」っていう変換なの。
さえzスコアがわかれば偏差値の意味もスッキリわかるよね!
zスコアは「データを単位のない共通の物差しに変換する」操作だとまとめられます。
まったく違うスケールの値同士を、フェアに比較できるようになるのです。
次回は、実際に異なる教科のテスト成績をzスコアで比較してみましょう。
