前回は、変動係数の考え方を学びました。今回は実際に計算してみましょう。
A支店とB支店、月次売上の平均と標準偏差を比べてみます。
A支店は平均500万円、標準偏差50万円でした。
B支店は平均200万円、標準偏差30万円でした。
標準偏差だけを見ると、A支店(50万円)の方がB支店(30万円)より大きく見えます。
でも、これは罠です。両支店は売上の規模が違うので、相対的に見る必要があります。
A支店の変動係数は、CV=50÷500=0.10(10%)です。
B支店の変動係数は、CV=30÷200=0.15(15%)です。
変動係数で比べると、B支店(15%)の方がA支店(10%)より散らばりが大きいとわかります。
標準偏差だけ見ていたら、見落としていた事実です。
A支店は規模が大きい分、絶対値としての標準偏差が大きく見えるだけなのです。
さえ標準偏差だけ見て「Aの方が変動が大きい」って判断しちゃうの、よくある落とし穴だよ!
変動係数は、規模や単位の異なるデータの散らばりを比較したいときに威力を発揮します。
異なる規模の店舗・部署の売上のばらつき比較や、異なる単位のデータの比較にも使えます。
投資商品のリスク比較(リターンに対する変動の大きさ)にも使われます。
ただし注意点があります。平均値が0に近い、または0を含むデータには使えません。
割り算が破綻するためです。気温や、赤字を含む利益などには使えません。
標準偏差は「絶対的な散らばり」、変動係数は「相対的な散らばり」です。
さえ規模が違うかも?って思ったら、変動係数の出番だよ!
ここまでのポイントを整理しましょう。
zスコアは(値-平均)÷標準偏差。個別データを共通の物差しに乗せ替える方法でした。
標準化後のデータは、必ず平均0・標準偏差1になります。
zスコアを使えば、異なるスケールのデータを公平に比較できます。
変動係数は標準偏差÷平均値。データセット全体の散らばりを相対化する指標でした。
変動係数を使えば、規模の違うデータの「散らばりの度合い」を比較できます。
zスコアと変動係数、どちらも「相対化」がキーワードです。
生の数字だけを見ていると、規模や単位に惑わされて誤った判断をしてしまうことがあります。
さえこの2つの武器があれば、規模の違うデータにも自信を持って向き合えるね!
次は『探索的データ解析法と外れ値』を学びます。
