今回は、分布の3つの代表的な形を、ひとつずつ具体例とともに見ていきましょう。
左右対称の分布から始めます。
山が真ん中にあり、左右に均等に広がっている形です。
中心付近にデータが集中し、そこから離れるほど少なくなる、もっとも整った形です。
例えば、成人の身長や、製品の寸法のばらつきがこれにあたります。
標準的な学力テストの点数や、人の体温なども左右対称に近い形です。
左右対称の分布では、平均値・中央値・最頻値のいずれもほぼ同じ位置に来ます。
「真ん中の値」がブレない、わかりやすい分布と言えます。
次は右の裾が長い分布です。
山が左寄りにあり、右側に長く尾を引く形です。正の歪みとも呼ばれます。
前回の講座で見た世帯の貯蓄分布を覚えていますか?
多くの世帯は少ない貯蓄額側に集中し、ごく一部の世帯が右側へ長く広がっていました。
まさに、右の裾が長い分布の典型例です。
家賃、都市の人口、本のページ数なども、この形になりやすいデータです。
右の裾が長い分布では、少数の大きな値が平均を引き上げます。
そのため平均値>中央値>最頻値という順序になります。
「平均年収」が肌感覚より高く感じられるのは、この分布の形が原因です。
最後は左の裾が長い分布です。
山が右寄りにあり、左側に長く尾を引く形です。負の歪みとも呼ばれます。
実生活ではやや目にする機会が少ないですが、特定の状況で現れます。
合格者がほぼ満点を取る簡単な試験の点数、長寿の人々の死亡年齢などが例です。
左の裾が長い分布では、少数の小さな値が平均を引き下げます。
平均値<中央値<最頻値の順序になります。
3つの形と代表値の関係を、あらためて整理しておきましょう。
左右対称は「平均値≒中央値≒最頻値」。
右の裾が長いは「平均値>中央値>最頻値」。
左の裾が長いは「平均値<中央値<最頻値」。
この関係を覚えておくと、平均値と中央値が大きく違うと聞いただけで、形が想像できます。
「平均年収450万、中央値380万」なら、右の裾が長い分布だと想像できるわけです。
さえ「右の裾が長い」「左の裾が長い」って、最初は混乱しやすいんだよね。
さえ山の頂上じゃなくて、長く伸びてるしっぽの向きで名前が決まる、って覚えるのがコツだよ!
分布の形は「裾がどっち向きに伸びているか」で覚えてください。
右に伸びれば「右の裾が長い」、左に伸びれば「左の裾が長い」。違いはたった一文字です。
