前回、四分位範囲(IQR)はQ3−Q1で「真ん中50%の幅」を表す、と学びました。
今回はまず、なぜIQRが外れ値に強いのかを確認します。
データの上下、それぞれ極端な25%は、計算の対象から外れています。
だから上下に外れ値があっても、それらは25%の枠に押し込められ、IQRには影響しません。
レンジとIQR、2つの指標を比べると違いがよくわかります。
レンジ:最大-最小で計算。外れ値の影響を受けやすく、全体の幅を見たいときに使う。
四分位範囲:Q3-Q1で計算。外れ値の影響を受けにくく、典型的な散らばりを見たいときに使う。
レンジは「全体の幅」、IQRは「中央50%の幅」。両方を計算しておくと便利です。
両者が大きく違うときは「外れ値があるかも?」とアタリをつけられます。
さえレンジは大ざっぱ、IQRは穏やか。外れ値があるデータでは、IQRのほうが「いつもの散らばり」を素直に表してくれるよ。
ここまでで、散らばりを測る2つの指標が出そろいました。
続いて、ここまで何度か登場してきた「外れ値」を、あらためて整理しましょう。
外れ値(outlier)とは、他のデータから極端にかけ離れた値のことです。
外れ値が生まれる原因は、大きく3つに分けられます。
①測定ミス・入力ミス:本当は63点なのに、間違って630と入れてしまった。
②例外的な事象:ある日だけ大規模イベントで売上が10倍になった。
③本当に特異な存在:会社の中に1人だけ突出した実績の社員がいる。
原因によって扱い方が変わります。ミスなら修正か除外、例外事象なら別扱いします。
本物の特異値なら、そのまま保持するのが基本です。
「外れ値だから捨てる」と機械的に判断してはいけません。
さえ外れ値=悪、じゃないんだよ。「なぜそんな値になったのか」を考えるのが大事だよ。
外れ値の判定には目安もあります。よく使われる基準を紹介します。
「Q1-1.5×IQRより小さい、またはQ3+1.5×IQRより大きい値」を外れ値とみなす基準です。
この基準は、今後「箱ひげ図」の“ひげの長さ”を決めるときにも登場します。
今回は「こういう目安があるんだな」程度の理解でOKです。
次回はいよいよ、ここまで学んだことを使う練習問題に挑戦します。
