前回は、箱ひげ図が5数要約を1つの図に集約したものであることを学びました。
今回は、箱ひげ図のもっとも実践的な使い方、「並列箱ひげ図」を見ていきます。
並列箱ひげ図とは、複数のグループの箱ひげ図を並べて比較する図のことです。
具体例で見てみましょう。A組とB組、2クラスのテストの点数を比較します。
A組の5数要約は、最小値45点・Q1が60点・中央値70点・Q3が80点・最大値95点です。
B組の5数要約は、最小値55点・Q1が65点・中央値75点・Q3が85点・最大値90点です。
この2つを並べて箱ひげ図で描くと、両クラスの違いが一目でわかります。
箱の位置、ひげの長さ、中央値の線。それぞれの違いに注目してください。
この図から読み取れることを、順番に整理していきましょう。
1つめ。B組のほうが中央値が高いです(A組70点、B組75点)。
2つめ。A組のほうがB組より広く散らばっています(レンジはA組50点、B組35点)。
3つめ。箱の高さ(IQR)はほぼ同じ(どちらも20点)。中央50%の散らばり方は近いのです。
4つめ。A組には下に裾を引く生徒がいます(最小値45点)が、B組にそこまで低い人はいません。
数字の表だけ見るより、視覚化した箱ひげ図のほうが圧倒的に伝わりやすいですね。
さえ並列箱ひげ図、すごく便利だよ!「こっちのほうが全体的に上だ」って一瞬で見えちゃうからね。
さえ「こっちはバラついてる」っていうのも、パッと見でわかっちゃうのがすごいところ。
これを3つ・5つと並べていくと、グループ間の違いがさらにダイナミックに見えてきます。
実務では店舗別、商品別、年度別、性別、年代別など、あらゆる分類で使われています。
並列箱ひげ図は「複数グループの分布を、一気に比較する」のに最強の道具です。
ヒストグラムを並べるのと違い、5つの数字に圧縮されているので何個並べても把握できます。
箱ひげ図は1つでも便利ですが、並べることで「比較」という新しい力が加わるのです。
次回は、箱ひげ図の便利さの裏にある「ある弱点」について学びます。第2章のラストです。
