続いては、量的変数を可視化する独特な方法「幹葉図(かんようず、みきはず)」です。
英語ではstem-and-leaf plotと呼びます。「幹」と「葉」、樹木をイメージするとわかりやすいです。
最大の特徴は、元のデータの数字をそのまま残しながら、分布の形も同時に見せられることです。
ヒストグラム(Chapter2で扱います)と似た役割ですが、個々の値まで一目で読み取れます。
つくり方を見てみましょう。ある10人の数学のテスト点数があったとします。
62, 75, 88, 71, 55, 89, 73, 67, 82, 78 という10個のデータです。
各数字を「十の位(幹)」と「一の位(葉)」に分けます。「62」なら幹が6、葉が2です。
同じ幹を持つ数字をまとめて、葉だけを横に並べていきます。
整理すると、幹5に葉1つ、幹6に葉2つ、幹7に葉4つ、幹8に葉3つ、という形になります。
たとえば幹が7の行は「1 3 5 8」。これは71・73・75・78点の4人がいることを表します。
葉のひとつひとつが、ひとりのデータです。
幹葉図には3つの読みポイントがあります。
①葉の総数=データの個数。上の例では全部で10個の葉があり、データは10人分です。
②葉の数が多い行=度数が多い区間。上の例では70点台に4人で、もっとも多いです。
③もとのデータがそのまま再現できる。並んでいる葉から、すべての値が読み取れます。
幹葉図は「ヒストグラム」+「元の値の一覧」を一枚にまとめたものです。
データ数が多くないとき(おおむね30〜50個まで)に、もっとも力を発揮します。
さえ幹(みき)が大きい桁、葉が小さい桁だよ。木をイメージしてね。
さえ横に倒したヒストグラムだと思って眺めると、分布の形が見えてくるよ。
さえヒストグラムはChapter2で学習するから、そこを読んだら、またこの幹葉図に戻ってきてね!
ここからは練習問題です。あるクラス15人の数学のテスト点数を使います。
幹葉図はこうなります。幹3に葉1つ、幹4に葉2つ、幹5に葉3つ、幹6に葉2つ。
さらに幹7に葉3つ、幹8に葉3つ、幹9に葉1つ、という形です。
【問題1】この幹葉図には、何人分のデータが含まれているでしょうか?
すべての葉の数を数えます。1+2+3+2+3+3+1=15個(15人分)です。
葉のひとつひとつがひとりのデータなので、葉の総数がそのままデータの個数になります。
【問題2】このクラスの最高点と最低点は、それぞれ何点でしょうか?
最低点は38点(幹3の葉8)、最高点は92点(幹9の葉2)です。
幹葉図は幹が小さいほうから順に並ぶので、一番上の左端が最小値、一番下の右端が最大値です。
【問題3】60点以上80点未満の人は、何人いるでしょうか?
60点台(幹6)が2人、70点台(幹7)が3人。合計すると5人になります。
このように「○点以上△点未満」を数える問題は、検定でよく問われるパターンです。
さえ3問とも解けたかな? 幹葉図は最初こそ独特に見えるけど、慣れちゃえばヒストグラムより便利な場面も多いんだよ。
