前回は「縦軸を0から始めない」という、グラフが誤解を招く代表的なパターンを学びました。
縦軸の省略以外にも、グラフを誤読させる「あるある」がいくつかあります。
1つ目は3D化された円グラフです。手前の扇が立体効果で大きく見え、実際の比率より誇張されます。
2つ目は恣意的な期間の切り取りです。長期的にはほぼ横ばいなのに、急上昇している短期だけを切り出す手口です。
3つ目は過剰な色や装飾です。データを伝えるはずのグラフが、装飾に埋もれて読みづらくなってしまいます。
これらはいずれも、技術的には作れてしまうけれど、読み手をミスリードする表現です。
自分でグラフをつくるときも、人のグラフを読むときも、次の3つを確認するクセをつけてください。
1つ目、軸は0から始まっているか。始まっていないなら、その理由は妥当か。
2つ目、軸ラベルと単位はあるか。
3つ目、立体効果や派手な装飾で、データの印象を歪めていないか。
グラフは「読み手にとってフェアか」がすべてです。技術的に作れることと、誠実に伝わることは別物です。
誤解させない配慮こそが、データを扱う者の品格になります。
さえグラフをつくるとき、自分が読み手だったらどう感じるか、ちょっと立ち止まって考えてみて。「正しく伝わるか?」が一番大事だよ。
ここで、今回学んだ内容をまとめておきましょう。
複合グラフは、絶対値(棒)と率(折れ線)を同時に見せる手法でした。
積み上げ棒グラフは、合計と内訳を一度に見せる手法。比率だけを見たいなら帯グラフを使います。
時点の異なる複数の帯グラフは、構成比の経年変化を追う手法でした。
縦軸は0から始めるのが大原則。例外は折れ線グラフで、破断記号つきの場合のみです。
3D化や面積の誇張、恣意的な期間の切り取りなどは、誤解を招くため避けるべきでした。
グラフ表現の腕は、「相手にどう伝わるか」を想像する力と表裏一体です。
次は『時系列データの要約』を学びます。
