帯グラフを時点ごとに複数並べると、構成比がどう変化したかを追うことができます。
同じカテゴリの値の動きを、年や月をまたいで比較する手法です。
例として、ある会社の社員年齢構成を、2020年・2022年・2024年の3時点で見てみましょう。
2020年は20代30%・30代40%・40代25%・50代以上5%でした。
2024年には20代20%・30代30%・40代35%・50代以上15%まで変化しています。
これを3本の帯グラフとして縦に並べると、20代・30代の比率が下がり、40代・50代以上が増えたことが一目でわかります。
「会社の高齢化が進んでいる」という事実が、数字を読まなくても形でわかるのが並列帯グラフの強みです。
上の並列帯グラフのように、色と順序をそろえて並べると変化が浮かび上がります。
並べるときは3つのルールを守ってください。
1つ目、カテゴリの並び順を全時点で統一すること。20代→30代→40代→50代以上の順を崩さないようにします。
2つ目、カテゴリごとに同じ色を使うこと。20代はずっと同じ色、30代もずっと同じ色にします。
3つ目、時系列の順序で並べること。古い→新しいの順で、上から下、または左から右にします。
これらを守らないと、色がバラバラで同じカテゴリを目で追えず、変化が読み取れなくなってしまいます。
ここからは話のトーンが変わります。グラフは「正しく伝える」道具であると同時に「誤解を生む」道具にもなります。
もっとも頻繁に問題になるのが、縦軸の目盛りが0から始まっていないグラフです。
ある会社の売上が、2022年102億円、2023年104億円、2024年106億円と推移したとします。
縦軸を0からスタートさせると、3本の棒の高さはほとんど同じに見えます。実際は3年間で4%ほどの増加でほぼ横ばいです。
ところが縦軸を100からスタートさせると、棒の高さは「2→4→6」のように見えます。
最初と最後を比べると、まるで3倍に成長したような印象を受けますが、実際の伸びは2%程度でしかありません。
数字はほとんど動いていないのに、視覚的には急成長しているような印象を与えてしまうのです。
上のグラフがまさにその「悪い例」です。縦軸の出発点に注目してください。
絶対値を比較する棒グラフは、縦軸を0から始めるのが大原則です。0を省略すると読み手を惑わせます。
さえ「めちゃくちゃ伸びてる!」って見えるグラフ、軸を確認してみて。0から始まってないと、印象がガラッと変わっちゃうの。ワイドショーとかでもよく見かけるテクニックだから、気をつけてね!
ただし、軸を0から始めることが常に正しいわけではありません。
折れ線グラフで、わずかな変化を意図的に強調したいときは、0スタートだと変化が見えなくなることがあります。
たとえば体温の0.1℃単位の推移や、株価の小さな変動を見たいときです。
このような場合は軸の下限部分を省略しても構いませんが、必ず軸を破断する記号(波線や二重線)を使い、省略を明示する必要があります。
次回は、その他の誤解を招くグラフのパターンと、グラフを読むときのチェックポイントを学びます。
