統計検定3級|流し読みレッスン 第12話

グラフの注意点 ② 時点の異なる帯グラフと縦軸の落とし穴

さえちゃん
さえ

今回は帯グラフを時系列で比較する方法と、グラフが誤解を招くいちばん有名なワナ「縦軸の省略」を学ぶよ。

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第12話

グラフの注意点 ② 時点の異なる帯グラフと縦軸の落とし穴

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統計検定3級|流し読みレッスン 第12話

グラフの注意点 ② 時点の異なる帯グラフと縦軸の落とし穴

帯グラフを時点ごとに複数並べると、構成比がどう変化したかを追うことができます。

同じカテゴリの値の動きを、年や月をまたいで比較する手法です。

例として、ある会社の社員年齢構成を、2020年・2022年・2024年の3時点で見てみましょう。

社員の年齢構成を3時点で並べた帯グラフ。20代・30代の比率が下がり、40代・50代以上が増えている20代30代40代50代〜2020年30%40%25%2022年25%35%30%10%2024年20%30%35%15%

2020年は20代30%・30代40%・40代25%・50代以上5%でした。

2024年には20代20%・30代30%・40代35%・50代以上15%まで変化しています。

これを3本の帯グラフとして縦に並べると、20代・30代の比率が下がり、40代・50代以上が増えたことが一目でわかります。

「会社の高齢化が進んでいる」という事実が、数字を読まなくても形でわかるのが並列帯グラフの強みです。

上の並列帯グラフのように、色と順序をそろえて並べると変化が浮かび上がります。

【記憶タイム】
時点の異なる帯グラフ
(じてん・の・ことなる・おび・ぐらふ)
同じ帯グラフを時系列で並べ、構成比の変化を追う
✍ 紙に3回書いてみよう

並べるときは3つのルールを守ってください。

1つ目、カテゴリの並び順を全時点で統一すること。20代→30代→40代→50代以上の順を崩さないようにします。

2つ目、カテゴリごとに同じ色を使うこと。20代はずっと同じ色、30代もずっと同じ色にします。

3つ目、時系列の順序で並べること。古い→新しいの順で、上から下、または左から右にします。

これらを守らないと、色がバラバラで同じカテゴリを目で追えず、変化が読み取れなくなってしまいます。

ここからは話のトーンが変わります。グラフは「正しく伝える」道具であると同時に「誤解を生む」道具にもなります。

もっとも頻繁に問題になるのが、縦軸の目盛りが0から始まっていないグラフです。

ある会社の売上が、2022年102億円、2023年104億円、2024年106億円と推移したとします。

縦軸を0から始めた売上の棒グラフ。3本の棒の高さはほとんど同じで、ほぼ横ばいだとわかる1022022年1042023年1062024年(売上(億円))

縦軸を0からスタートさせると、3本の棒の高さはほとんど同じに見えます。実際は3年間で4%ほどの増加でほぼ横ばいです。

ところが縦軸を100からスタートさせると、棒の高さは「2→4→6」のように見えます。

縦軸を100から始めた売上の棒グラフ(悪い例)。実際は4%増なのに、棒の高さが3倍に伸びたように見える1022022年1042023年1062024年※縦軸は 100 から(売上(億円))

最初と最後を比べると、まるで3倍に成長したような印象を受けますが、実際の伸びは2%程度でしかありません。

数字はほとんど動いていないのに、視覚的には急成長しているような印象を与えてしまうのです。

上のグラフがまさにその「悪い例」です。縦軸の出発点に注目してください。

【記憶タイム】
縦軸の省略
(たてじく・の・しょうりゃく)
0を省くとわずかな差が誇張されて見える誤解のもと
✍ 紙に3回書いてみよう

絶対値を比較する棒グラフは、縦軸を0から始めるのが大原則です。0を省略すると読み手を惑わせます。

さえ

「めちゃくちゃ伸びてる!」って見えるグラフ、軸を確認してみて。0から始まってないと、印象がガラッと変わっちゃうの。ワイドショーとかでもよく見かけるテクニックだから、気をつけてね!

ただし、軸を0から始めることが常に正しいわけではありません。

折れ線グラフで、わずかな変化を意図的に強調したいときは、0スタートだと変化が見えなくなることがあります。

たとえば体温の0.1℃単位の推移や、株価の小さな変動を見たいときです。

このような場合は軸の下限部分を省略しても構いませんが、必ず軸を破断する記号(波線や二重線)を使い、省略を明示する必要があります。

【記憶タイム】
軸の破断
(じくの・はさん)
波線・二重線で「ここを省略しています」と明示する記号
✍ 紙に3回書いてみよう

次回は、その他の誤解を招くグラフのパターンと、グラフを読むときのチェックポイントを学びます。