前回は棒・折れ線・円・帯グラフなど、グラフの基本を整理しました。
今回はそこから一歩進んで、表現の幅を広げる工夫を学んでいきます。
まずは「複合グラフ」です。種類の違う複数のグラフを1枚に重ねて表示する手法です。
もっとも代表的なのは、棒グラフと折れ線グラフの組み合わせです。
「絶対値の比較」と「変化の度合い」を、同じ画面で同時に伝えられます。
典型的な使い方は、月次売上を棒グラフ、前年同月比を折れ線グラフで重ねるパターンです。
上のサンプルのように「金額そのもの」と「伸びているか」が一目でわかる、実務でも定番の形です。
さえ会議資料で「売上は伸びてる?」って聞かれたとき、棒グラフのほかに折れ線で前年比を重ねれば「伸びてます!」が一目でわかります。複合グラフはダッシュボードの定番だよ!
複合グラフでは、左右に異なるスケールの縦軸を持つことがよくあります。これを「2軸グラフ」と呼びます。
たとえば左軸が金額(万円)、右軸が割合(%)というケースです。
読み手が混乱しないよう、いくつか守りたい原則があります。
まず、左右どちらの軸が何の値かを、軸ラベルで必ず明記すること。
次に、関係性が薄い2つの値を並べないこと。意味の関連がない値を重ねると誤読を招きます。
そして、右軸のスケールを恣意的に変えないこと。小さな変化が大きく見えてしまうことがあります。
軸が2つあるグラフを見かけたら、どの軸がどの系列のものか、まず確認するクセをつけましょう。
複合グラフの強みは「2つの情報を1枚で見せる」ことです。ただし軸が2つあることを読み手が認識できることが大前提です。
続いて「積み上げ棒グラフ」です。1本の棒の中に複数のカテゴリを積み上げて表示します。
棒の高さは合計を、各層は内訳を表します。「全体の大きさ」と「内訳」を1本で表現できるのが特徴です。
積み上げ棒グラフには、見せ方の異なる2つのタイプがあります。
1つは通常の積み上げ棒グラフ。絶対値を積み上げ、棒の高さで合計の大小がわかります。
もう1つは100%積み上げ棒グラフ。すべての棒を100%にそろえたもので、これは前回学んだ帯グラフそのものです。
積み上げ棒グラフで気をつけたいのは、一番下の層以外は基準線がそろっていないことです。
最下層は棒の底からの高さで比較できますが、中ほどの層は出発点がバラバラで比較しづらくなります。
そのため、もっとも比較してほしいカテゴリを最下層に置くのがコツです。
さえ合計の大きさも見たいなら積み上げ棒グラフ、純粋に比率だけ見たいなら帯グラフ。「合計の大小に意味があるか?」を考えるのが選び方のコツだよ!
積み上げ棒グラフは「合計と内訳の両方を伝えたい」ときに使います。純粋な比率比較なら帯グラフのほうが向いています。
次回は、時点の異なる帯グラフと、グラフが誤解を招くパターンを学びます。
