いよいよ「データの種類」の最終話です。
ここまでは「ひとつひとつの値」がどんな種類か、という話でした。
今日は視点を変えて、データセット全体の形(表のこと)による分類を見ていきます。
これは、データの集め方の違いと言ってもよいでしょう。
まずはクロスセクションデータ(横断面データ)です。
ある時点で、複数の対象を観測したデータです。時間は固定、対象はバラバラ。
カメラのシャッターを一回切ったときの写真のような、ある瞬間を切り取ったデータと言えます。
時間が固定されているため、並び替えができるデータでもあります。
例:2026年4月時点の各都道府県の人口、同じクラスの生徒40人の身長一覧、ある日の各支店の売上。
次は時系列データです。同じ対象を、時間順に観測しつづけたデータです。
対象は固定、時間が動いていきます。トレンドや季節変動を見るのに使います。
並び替えをすると時間の情報が失われる、という点がクロスセクションデータとの違いです。
例:ある会社の月次売上、日経平均株価の日次推移、東京の月別平均気温。
最後はパネルデータです。クロスセクションデータと時系列データを兼ね備えたデータです。
複数の対象を、時間を追って観測したデータがこれに当たります。
情報量が一気に増えるぶん、分析の幅も広がります。
例:47都道府県の年次人口推移、全店舗の月次売上推移、毎週開催した漢字テストの結果一覧表。
さて、これで「データの種類」はひととおり学び終えました。全体をまとめましょう。
データの種類は、統計学のすべての入口です。
手元のデータの種類がわかると、「平均が使えるか」「このグラフは適切か」の判断が楽になります。
質的か量的か、比例か間隔か、離散か連続か。データの種類で、間違えやすいところだけ整理しておきましょう
問い①:計算(平均など)に意味があるか? Yesなら量的変数、Noなら質的変数です。
問い②:0は「無い」を意味するか? Yesなら比例尺度、等間隔なだけなら間隔尺度です。
問い③:数えるのか、測るのか? 数えるなら離散変数、測るなら連続変数です。
さえ解答の選択肢の中で変数の性質・種類を迷わないよう、この3つの質問をしてみてね!
この3つの問いをくぐらせるだけで、ほとんどのデータは正しく分類できます。
データを扱うためには、まず素材からしっかり識別できるようになりましょう。おつかれさまでした!
次は『質的変数の要約』を学びます。度数分布表と棒グラフから始めましょう。
