会社や家でLANケーブルを挿して通信するとき、その通信は「何という規格」で動いているか、考えたことはありますか?
普段は意識しませんよね。でも、そこにはちゃんと名前のついた共通ルールがあります。少し考えてから読み進めてください。
イーサネットは「有線LANの共通ルール」
イーサネット(Ethernet)は、有線LANで最も広く使われている通信規格です。私たちが普段使うLANケーブルの通信は、ほぼすべてイーサネットだと考えて差し支えありません。
前章で学んだOSIモデルでいうと、イーサネットはL1(物理層)とL2(データリンク層)を担当します。ケーブルの形状から、データの届け方の作法まで、「同じネットワーク内で機器同士がやりとりするルール」をまとめて決めているのがイーサネットです。
国ごとの郵便ルールを思い浮かべると分かりやすいでしょう。封筒のサイズ、宛名の書き方、ポストの使い方——みんなが同じルールに従うから、誰の手紙でも正しく配達されます。ルールが共通だからこそ、機器のメーカーが違っても通信できる。これがイーサネットの本質です。
なぜ「共通ルール」が重要なのか
前章の「なぜ階層に分けるのか」を思い出してください。通信は階層に分かれ、各階層が決まった作法でバトンを渡すのでした。イーサネットは、その下のほう(L1・L2)の作法を、世界中で統一して決めた取り決めです。
この統一があるおかげで、あなたはケーブルやスイッチのメーカーをいちいち気にせず、挿せばつながる、という体験ができています。次回からは、そのイーサネットの中身——機器を見分けるMACアドレスや、データの容れ物であるフレーム——を、ひとつずつ開けて見ていきます。
イーサネットは、OSI参照モデルでいうと第何層を担当する規格でしょう?
答えを見る
答えはL1(物理層)とL2(データリンク層)です。イーサネットは、ケーブルなどの物理的な部分(L1)と、同じネットワーク内で隣の機器へ届ける作法(L2)の、両方をまとめて定めています。
前章で「スイッチ=L2」と学びましたね。スイッチがイーサネットの世界で活躍する機器だ、というつながりも、ここで結びつけておきましょう。
イーサネット=有線LANの共通ルール(L1・L2を担当)。郵便のルールみたいに、みんなが従うから誰とでも通信できる。次は、その世界で機器を見分ける「MACアドレス」を見ていくよ。