STAGE 01 / イーサネットとMACアドレス

MACアドレス

考えてみよう

同じネットワークに10台のPCがつながっているとき、スイッチは「どれが誰宛のデータか」を、何を見て区別していると思いますか?

名前? 番号? 何か機器を一意に識別するものが必要そうですよね。少し考えてから読み進めてください。

MACアドレス ― 機器に刻まれた製造番号

ネットワーク内で「どの機器宛か」を区別するために使われるのがMACアドレスです。すべてのネットワーク機器(PCのLANポート、スマホのWi-Fi、ルーターなど)に、製造時から1つずつ割り当てられています。

イメージは、機器の「世界に1つだけの製造番号」。スマホのシリアル番号や、車の車台番号を思い浮かべてください。原則として世界中で重複しない、変わらない番号。これがあるから、同じネットワーク内で「あなた宛」「私宛」を区別できます。

MACアドレスの形

MACアドレスは48ビット(6バイト)。なお「バイト」とは情報量の単位で、1バイト=8ビット。48ビットは8で割って6バイト、というわけです。これを16進数2桁ずつ、6つに区切って表記します。前半3バイトと後半3バイトで、意味が分かれています。

部分意味
前半3バイト00:1A:2BOUI(メーカー識別番号)。先頭を見ればメーカーが分かる
後半3バイト3C:4D:5Eそのメーカーが機器ごとに付ける固有番号

表記は「00:1A:2B:3C:4D:5E」のようにコロン区切りが一般的です(ハイフン区切りもあります)。前半を見るとメーカーが分かり、後半でその中の個体が特定できる——という二段構えになっています。

どの階層で使うアドレスか

ここが重要です。MACアドレスはL2(データリンク層)で使うアドレスです。前章で学んだ「スイッチ=L2」を思い出してください。スイッチはMACアドレスを見て、データを正しい相手に届ける機器なのです。次回学ぶフレームの中で、このMACアドレスがどう使われるかを見ると、スイッチの賢さの正体が見えてきます。

やってみよう

説明だけではピンと来ないので、あなたのPCのMACアドレスを実際に見てみましょう。

Windowsの場合:スタートメニューで「cmd」と入力してコマンドプロンプトを開き、ipconfig /all と入力してEnter。

Macの場合:「ターミナル」アプリを開き、ifconfig と入力してEnter。

確認ポイント

Windowsなら「物理アドレス」、Macなら「ether」と書かれた欄に、00-1A-2B-3C-4D-5E のような6組の英数字が並んでいます。それが、いま使っているあなたのPCの、世界に1つだけのMACアドレスです。本文で学んだ「6バイト」「前半=メーカー」を、自分の目で確かめてみてください。

確認問題

MACアドレス「00:1A:2B:3C:4D:5E」のうち、メーカーを識別できるのはどの部分でしょう?

答えを見る

答えは前半3バイト「00:1A:2B」です。この前半部分はOUIと呼ばれ、メーカーごとに割り当てられています。後半3バイト「3C:4D:5E」は、そのメーカーが機器ごとに付ける固有番号です。

「前半=メーカー、後半=機器固有」。この二段構えと、MACアドレスがL2で使うアドレスであることをセットで押さえましょう。

ゆみちゃん
ゆみ

MACアドレス=機器の世界に1つだけの製造番号(48ビット)。前半がメーカー、後半が機器固有。そしてL2で使うアドレス——スイッチが見るのはこれ。次は、そのMACアドレスが入る容れ物「フレーム」を開けてみるよ。

用語メモ
ビット
情報の最小単位。0か1のどちらかを表す
バイト
8ビットをまとめた単位。1バイト=8ビット。MACアドレスの48ビットは6バイト
16進数
0〜9とA〜Fの16種類で数を表す方法。MACアドレスの表記に使われる
OUI
Organizationally Unique Identifier の略。MACアドレス前半3バイトの、メーカーを識別する番号