STAGE 01 / イーサネットとMACアドレス

スイッチの動作

考えてみよう

スイッチは、つながっている機器それぞれの場所を、最初から全部知っているのでしょうか?

電源を入れた直後のスイッチは、まだ何も知らないはずです。では、どうやって正しく届けられるようになるのでしょう。少し考えてから読み進めてください。

スイッチは「学びながら賢くなる」機器

この章のハイライトです。スイッチは賢い機器ですが、最初から賢いわけではありませんMACアドレステーブルという「住所録」を、自分で作りながら成長していきます。

動きは3つのステップで理解できます。新人の受付係を思い浮かべてください。最初は社員の席を知りませんが、仕事をしながら覚えていきます。

ステップ1:学習(ラーニング)

スイッチはフレームを受け取ると、その送信元MACアドレスと「どのポートから来たか」を記録します。これを繰り返し、「このMACの機器は、このポートの先にいる」という住所録を育てていきます。受付係が「この人はこの席から来た」とメモを取るのと同じです。

ステップ2:転送(フォワーディング)

宛先MACが住所録にあれば、そのポートだけにフレームを送ります。無関係なポートには流しません。届け先が分かっているなら、まっすぐそこへ届ける——これがスイッチの効率の良さです。

ステップ3:フラッディング

宛先MACが住所録にまだ無い場合は、受け取ったポート以外の全ポートにフレームを送ります(フラッディング)。受付係が「○○さんいますか?」と全部署に聞いて回るイメージです。応答が返ってくれば、その相手のMACとポートを学習し、次回からはピンポイントで送れるようになります。

まとめると「学習 → 転送 →(知らなければ)フラッディング」

スイッチは、通信を見ながら住所録を充実させ、どんどん効率的になっていきます。前章で「フレームの先頭に宛先MACがある」と学びましたね。スイッチはまさにその先頭の宛先MACを見て、この3ステップを実行しているのです。知識がつながりました。

確認問題

スイッチが、宛先MACアドレスを住所録(MACアドレステーブル)にまだ持っていないとき、どう動くでしょう?

答えを見る

答えはフラッディングです。受け取ったポート以外の全ポートにフレームを送り出します。そして応答が返ってくれば、その機器のMACとポートを学習し、次回からはそのポートだけに送れるようになります。

学習 → 転送 →(知らなければ)フラッディング。スイッチは最初から賢いのではなく、通信を見ながら賢くなっていく——この一文がこの章の核心です。

ゆみちゃん
ゆみ

スイッチの動作は3つ:学習・転送・フラッディング。新人受付係が、メモを取りながら社員の席を覚えていくのと同じ。最初から全知全能じゃないところが、むしろ面白いよね。次は「届け方の種類」、3つの通信を見て、この章を締めくくるよ。