変動係数 – 標準偏差の相対化
変動係数とは、データの標準偏差を平均値で割ったもので、データの相対的なばらつきを示す指標です。平均値を分母にすることで、ばらつき具合を割合で見ることができます。
この記事で学習できること
- 変動係数
変動係数が大きければ大きいほど、データのばらつきが大きく、平均値からのズレが大きいことを意味します。つまり、標準偏差の範囲が広いということです。
逆に、変動係数が小さい場合は、データのばらつきが少なく、平均値が安定していることを示しています。

データのばらつきを比較するとき、比べる単位がそれぞれ違う場合は、この「変動係数」がとても役に立つんだよ。
変動係数
変動係数 = 標準偏差 ÷ 平均値
例えば、来店数の平均値が50人として、標準偏差が10人とします。また、顧客単価の平均値を2,000円として、標準偏差を1,000円とします。
この2つの標準偏差を見比べてみると「10」と「1,000」です。データの絶対的なばらつきしかわからないため、異なる単位を持つデータを比較するのには適していません。
しかし、変動係数は平均に対するばらつきの割合を出力するため、異なる変数の比較に特化しています。
売上の変動係数が5%、来客数の変動係数が20%としてデータを読んでみると、売上よりも、来客数の変動係数のほうが高いため、顧客の購買行動にかなりのムラがあるのでは? という気づきを得ることができます。
売上にばらつきがなく、来店数にばらつきがあるのであれば、来客数が多いときに売上が少ない可能性があることに気付けるわけです。
割合でみると、こういうところに気付けるようになります。
講師業が見る変動係数
もう1例、挙げてみましょう。
例えば、講座レビューにおける評価データを使って考えてみましょう。2つの異なる講座で得られた評価が、次のように異なるとします。
- 講座A: 平均評価が4.5、標準偏差が0.5
- 講座B: 平均評価が3.0、標準偏差が0.9
● 講座Aの変動係数
0.5 ÷ 4.5 = 0.111….
講座Bの変動係数
0.9 ÷ 3.0 = 0.3
講座Bの評価が、講座Aよりも相対的にばらついていることがわかります。
つまり、講座Bには案内の不備があったか、難易度がユーザー層とマッチしていなかったかなどが推察されます。
まあ、実際には数値化しなくても肌感覚でわかってしまうんですけどね(;^_^A
まとめ
変動係数は、データのばらつきを相対的に評価できます。
異なる単位を持つデータを比較する際には、標準偏差ではなく変動係数を用いることで、データのばらつきを公平に比較して、情報を読み取ることができるのです。
計算式は簡単なので、こちらはさっと覚えてしまいましょう。

標準偏差をパーセントで見ることで、新しい発見を得ることができます。相対的に見るって重要なんですね
最終確認日:2025年11月22日

