日本銀行は何をしているのか

Bank of Japan

中央銀行とは何か ― 3つの顔を持つ、特別な銀行

日本銀行は、私たちが給料を振り込んでもらったり、買い物の代金を払ったりする、いわゆる「街の銀行」とは役割が異なります。日本銀行は中央銀行(その国のお金や金融の仕組みの中心を担う、特別な銀行)であり、大きく3つの顔を持っています。

1つ目は銀行の銀行としての顔です。街の銀行は日本銀行に口座を持っていて、銀行同士のお金のやり取りは、この口座を通じて行われます。

2つ目は政府の銀行としての顔です。税金として集められたお金の管理や、国債の発行に関する事務など、政府の資金の出し入れを担っています。

3つ目はお札を発行する銀行としての顔です。お金とは何かで見た1万円札、あの日本銀行券を発行しているのは、その名のとおり日本銀行です。この3つの顔を併せ持つことで、日本銀行は日本のお金の流れ全体に責任を持つ立場にあります。

物価の番人 ― 「円の信用」を守るという仕事

お金とは何かで、1万円札が使えるのは、皆がそれを「価値があるもの」と信用しているからだ、という話をしました。日本銀行の最も重要な仕事の一つは、この円という通貨に対する信用を守ることです。

その具体的なものさしが物価安定の目標(消費者物価の前年比上昇率を2%程度に保つことを目指す、日本銀行の政策目標)です。2013年に導入されたこの目標を掲げ、日本銀行は金融政策を運営しています。

物価が急激に上がりすぎれば、円の値打ちはどんどん目減りし、皆が円を信用しなくなるおそれがあります。逆に物価が下がり続ければ、企業の売上や賃金が伸び悩み、経済全体の活力が失われていきます。どちらの極端にも振れないよう見張り続けることが、中央銀行としての日本銀行の中心的な仕事です。

金融政策とは何か ― 金利とお金の量を調節する

物価と経済を安定させるために日本銀行が使う道具立てを、金融政策(中央銀行が金利や世の中に出回るお金の量を調節して、物価や経済の安定を図る政策)と呼びます。

大きく分けると、金融政策には2つの調節の仕方があります。1つは金利を上げ下げすること。もう1つは世の中に出回るお金の量を増やしたり減らしたりすることです。景気が過熱して物価が上がりすぎそうなときは、金利を上げたりお金の量を絞ったりして、経済に少しブレーキをかけます。逆に景気が冷え込んでいるときは、金利を下げたりお金の量を増やしたりして、経済を後押しします。

この金融政策の中心的な手段が政策金利(日本銀行が金融市場の金利を誘導するために用いる、基準となる金利)です。日本銀行がこの金利をどう動かし、それが私たちの暮らしにどうつながっていくのか、具体的な仕組みは政策金利とは何かで詳しく見ていきます。

もっと深く ― 日銀の独立性DEEP DIVE

ここからは、基礎の一歩先の話です。読み飛ばしても本筋は追えます。

なぜ政府から独立しているのか

日本銀行は、政府の一機関ではなく、政府から独立して金融政策を決める仕組みになっています。日銀の独立性(政府から独立して、中央銀行が金融政策を決定できるようにする制度上の建て付け)と呼ばれる考え方です。

この仕組みが重んじられる理由の一つに、政府がお金を無制限に発行させて自らの支出をまかなうことへの歯止め、という一般的な考え方があります。政府の意向だけでお金の量が決められると、行き過ぎた物価上昇を招きやすい、という歴史的な経験があるためです。そこで多くの国で、中央銀行に一定の独立性を持たせる制度が採られています。

もっとも、独立性をどこまで徹底すべきか、政府と中央銀行がどこまで意思疎通すべきかについては、国や時代によって考え方に幅があります。ここでは、そうした制度の建て付けと、その背景にある一般的な考え方を紹介するにとどめます。

考えてみるTHINK
Q1

「円の信用を守る」とは、具体的に何がどうなることでしょうか?

ヒント: 物価安定の目標が、何%を目指す数字だったか、このページの内容を思い出してみましょう。

Q2

もし中央銀行が、政府の指示どおりにお金を無限に供給したら、何が起きるでしょうか?

ヒント: 日本にはどれくらいのお金があるのかで見た、お金の量と物価の関係を思い出してみましょう。

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