STAGE 04 / 4-1 ルーティングの基本

PT演習 4-1:ルータ2台+スタティックルートで拠点間疎通

考えてみよう

本社と支社、それぞれにPCとルーターがあるとき、離れた拠点のPC同士が通信できるようにするには、ルーターに何を教えてあげればよいのでしょう?

座学で「ルーティングテーブルに一致するエントリがなければパケットは破棄される」「スタティックルートは管理者が手動で経路を教える方法」と学びました。今回は実際に2拠点をルーターでつなぎ、スタティックルートを1行ずつ入力して疎通させます。

この演習でできるようになること

使用トポロジ

Router 2911を2台(R1・R2)用意し、拠点間リンクとして1本のシリアルまたはイーサネットリンクで接続します。R1配下にPC0(本社)、R2配下にPC1(支社)をそれぞれ接続します。

ルーター2台をスタティックルートでつなぎ、本社と支社のPCが疎通する構成図
ルーター2台をスタティックルートでつなぎ、本社と支社のPCが疎通する構成図

準備

  1. Router 2911を2台(R1・R2)、Switch 2960を2台(SW1・SW2、省略してPC直結でも可)、PC-PTを2台(PC0・PC1)配置する
  2. PC0をSW1経由(またはR1に直結)でR1のGigabitEthernet0/0へ、PC1をSW2経由でR2のGigabitEthernet0/0へストレートケーブルで接続する
  3. R1のGigabitEthernet0/1とR2のGigabitEthernet0/1をクロスケーブルで接続する(拠点間リンク)
  4. IPアドレス割り当ては以下の通り
機器インターフェースIPアドレスサブネットマスク
PC0-192.168.10.10255.255.255.0(GW: 192.168.10.1)
R1Gi0/0192.168.10.1255.255.255.0
R1Gi0/110.0.0.1255.255.255.252
R2Gi0/110.0.0.2255.255.255.252
R2Gi0/0192.168.20.1255.255.255.0
PC1-192.168.20.10255.255.255.0(GW: 192.168.20.1)

手順

  1. R1の各インターフェースにIPアドレスを設定し、有効化する

R1(config)# interface GigabitEthernet0/0
R1(config-if)# ip address 192.168.10.1 255.255.255.0
R1(config-if)# no shutdown
R1(config)# interface GigabitEthernet0/1
R1(config-if)# ip address 10.0.0.1 255.255.255.252
R1(config-if)# no shutdown

  1. R2も同様に設定する

R2(config)# interface GigabitEthernet0/0
R2(config-if)# ip address 192.168.20.1 255.255.255.0
R2(config-if)# no shutdown
R2(config)# interface GigabitEthernet0/1
R2(config-if)# ip address 10.0.0.2 255.255.255.252
R2(config-if)# no shutdown

  1. この時点でPC0からPC1へpingを打ち、まだ通信できないことを確認する(相手ネットワークへの経路をまだ知らないため)
  1. R1に、支社ネットワーク(192.168.20.0/24)宛てのスタティックルートを設定する

R1(config)# ip route 192.168.20.0 255.255.255.0 10.0.0.2

  1. R2に、本社ネットワーク(192.168.10.0/24)宛てのスタティックルートを設定する

R2(config)# ip route 192.168.10.0 255.255.255.0 10.0.0.1

  1. 再度PC0からPC1へpingを打ち、通信できるようになったことを確認する

C:\> ping 192.168.20.10

確認

R1# show ip route

Codes: C - connected, S - static

C    192.168.10.0/24 is directly connected, GigabitEthernet0/0
C    10.0.0.0/30 is directly connected, GigabitEthernet0/1
S    192.168.20.0/24 [1/0] via 10.0.0.2

S 192.168.20.0/24 [1/0] via 10.0.0.2の行が表示されていれば、支社ネットワークへのスタティックルートが正しく登録されています。

C:\> ping 192.168.20.10

Reply from 192.168.20.10: bytes=32 time=2ms TTL=126

合格チェックリスト

つまずきポイント

確認問題

R1にスタティックルートip route 192.168.20.0 255.255.255.0 10.0.0.2だけを設定し、R2には何も設定しませんでした。PC0からPC1へpingを打つとどうなるでしょうか?

答えを見る

失敗します。R1からR2方向へのパケットは届きますが、R2は本社ネットワーク(192.168.10.0/24)への戻り経路を知らないため、ping応答(Echo Reply)を送り返せません。スタティックルートは通信したい両方向のルーターに設定する必要があります。

ゆみちゃん
ゆみ

スタティックルートを設定する前と後で、pingが通らない状態から通る状態に変わる瞬間を自分の手で作れると、ルーティングの意味がぐっと実感できるよね。次は、この手作業から離れて、ルーター同士が自動で経路を教え合うダイナミックルーティングの世界を見ていくよ。