Stage01で学んだMACアドレスだけで、世界中のどの機器にもデータを届けられるでしょうか?
MACアドレスは機器に焼き付けられた番号でしたね。では、東京にいる人が、地球の裏側にいる人にデータを送りたいとき、MACアドレスだけで「道順」を決められるでしょうか。少し考えてから読み進めてください。
MACアドレスだけでは足りない理由
Stage01では、スイッチがMACアドレスを見てフレームを届けることを学びました。ですがMACアドレスは、いわば機器についた「製造番号」のようなもの。どの国の、どの建物にある機器かという情報は一切含まれていません。
たとえるなら、MACアドレスは名前のようなものです。「田中さん」という名前だけを頼りに手紙を届けようとしても、日本中に田中さんは何万人もいます。手紙を届けるには、名前だけでなく住所が必要ですよね。
ここで登場するのがIPアドレスです。IPアドレスは、ネットワーク上の機器に割り当てられる「住所」であり、どのネットワークの、どの機器かを表す番号なのです。
IPアドレスは「住所」、MACアドレスは「名前」
もう少し正確に整理しましょう。IPアドレス(IPv4)は32ビットの数字で構成され、ネットワーク部とホスト部という2つの部分に分かれています(この構造は次回以降で詳しく見ていきます)。
郵便の住所で考えると分かりやすいです。「東京都〇〇区〇〇町1-2-3 田中様」という宛名には、都道府県・市区町村という大きな地域を表す部分と、番地というその中の具体的な場所を表す部分がありますよね。IPアドレスも同じで、「どのネットワークに属しているか」と「そのネットワークの中のどの機器か」の両方を1つの番号で表現しているのです。
一方でMACアドレスは、住所ではなく機器そのものに刻まれた固有の番号でした。会社が変わっても人の名前が変わらないように、機器を別のネットワークに持っていってもMACアドレスは変わりません。しかしIPアドレスは、どのネットワークに接続するかによって変わる、まさに「住所」的な性質を持っています。
この違いは非常に重要です。ルータが離れたネットワーク同士をつなぐとき、頼りにするのはMACアドレスではなくIPアドレスです。IPアドレスという「住所」があるからこそ、地球の裏側にあるサーバーにも、正しい道筋をたどってデータを届けられるのです。
試験でのポイント
CCNA試験では、MACアドレス(レイヤ2で使う)とIPアドレス(レイヤ3で使う)の役割の違いがよく問われます。「同じネットワーク内の転送にはMACアドレス」「異なるネットワーク間の転送(ルーティング)にはIPアドレス」という住み分けを、混同しないようにしましょう。また、IPアドレスが「機器固有」ではなく「接続先ネットワークに依存する」番号である点も、引っかけ問題として狙われやすいポイントです。
IPアドレスとMACアドレスの違いとして、正しいものはどれでしょう?
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MACアドレスは機器に固定された番号、IPアドレスは接続するネットワークによって変わりうる番号です。MACアドレスは「名前」、IPアドレスは「住所」とイメージすると覚えやすいです。
引っかけとして「MACアドレスもネットワークが変わると変化する」という誤った選択肢が出ることがありますが、MACアドレスは機器(正確にはNIC)に焼き付けられた固有の番号なので変わりません。
IPアドレスが32ビットの数字だと聞くと、「2進数」という言葉が気になった方もいるかもしれません。次回はまさにその2進数を扱います。
次のうち、IPアドレスの役割として最も適切なものはどれでしょう?
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ネットワーク上での機器の「住所」を表し、異なるネットワーク間でのデータの届け先を特定することです。
IPアドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」から構成され、住所(都道府県+番地)のように「どのネットワークの、どの機器か」を表現します。この後の章で構造を詳しく学びますが、まずは「住所である」という感覚を持っておきましょう。
MACアドレスが「名前」、IPアドレスが「住所」——このイメージ、すごく大事だよ。次はIPアドレスを理解するための土台、2進数と10進数の変換を一緒にやっていこう!