192.168.1.10 255.255.255.0 と 192.168.1.10/24、この2つの書き方は同じ意味を表していますが、どちらが素早く書けそうでしょうか?
どちらも同じ情報を伝えていますが、書く手間や読みやすさには大きな差があります。少し考えてから読み進めてください。
サブネットマスクをもっと手軽に書く方法
前回、サブネットマスク 255.255.255.0 は、2進数にすると 11111111.11111111.11111111.00000000 であり、1が24個並んでいることを学びました。
このとき、「1が何個並んでいるか」さえ分かれば、サブネットマスク全体をわざわざ 255.255.255.0 と書かなくても表現できることに気づきます。1が24個なら 255.255.255.0、1が16個なら 255.255.0.0——このように、1の個数さえ伝われば、サブネットマスクは一意に決まるのです。
そこで生まれたのがCIDR表記(プレフィックス長表記)です。IPアドレスの後ろにスラッシュを書き、続けて「1が何ビット並んでいるか」の数字を添えます。たとえば 192.168.1.10/24 と書けば、これは「IPアドレスが192.168.1.10で、サブネットマスクは1が24個、つまり255.255.255.0である」ということを、たった3文字(/24)で表現しているのです。
この「/24」のような数字をプレフィックス長と呼びます。CIDRは Classless Inter-Domain Routing の略で、元々はクラスの区分にとらわれない柔軟なアドレス管理のために考案された仕組みですが、今ではサブネットマスクを短く書くための表記法として、日常的に広く使われています。
略式の住所表記に似ている
これは、正式な住所を省略して書く感覚に似ています。「東京都渋谷区神南一丁目2番3号」と正式に書く代わりに、状況によっては「渋谷区神南1-2-3」と省略しても、相手に十分伝わりますよね。CIDR表記も同じで、255.255.255.0 という長い数字の並びを、/24 という短い数字1つに凝縮しているのです。
クラスとプレフィックス長の対応
前々回学んだクラスの区分は、実はプレフィックス長でも表現できます。
| クラス | 標準のプレフィックス長 | サブネットマスク |
|---|---|---|
| クラスA | /8 | 255.0.0.0 |
| クラスB | /16 | 255.255.0.0 |
| クラスC | /24 | 255.255.255.0 |
ただしCIDRの大きな利点は、クラスの標準的な区切り(/8、/16、/24)だけに縛られない点にあります。/25 や /27 のように、オクテットの途中でネットワーク部を区切ることもできます。これにより、必要な機器数に応じて、無駄なく柔軟にアドレスを割り当てられるようになります。この「オクテットの途中で区切る」考え方は、次の章で学ぶサブネッティングそのものです。
試験でのポイント
CCNA試験では、/24 のようなプレフィックス長からサブネットマスク(255.255.255.0)へ、逆にサブネットマスクからプレフィックス長へ、即座に相互変換できるかが繰り返し問われます。特によく使う対応(/8=255.0.0.0、/16=255.255.0.0、/24=255.255.255.0)は反射的に出せるようにしておくと、試験時間を大幅に節約できます。また、「IPアドレスとサブネットマスクを2つ別々に書く従来の表記」と「CIDR表記」は完全に同じ情報を意味する、別の書き方に過ぎないという点も忘れないようにしましょう。
10.1.1.1/16 は、従来の書き方に直すとどうなるでしょう?
答えを見る
10.1.1.1 255.255.0.0 です。
プレフィックス長16は「1が16個並んでいる」ことを意味し、8ビットずつのオクテットで考えると、最初の2オクテットがすべて1(255.255)、残り2オクテットがすべて0(0.0)になります。よって255.255.0.0となります。
サブネットマスク 255.255.255.192 をCIDR表記のプレフィックス長で表すと、いくつになるでしょう?
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/26です。
255.255.255まではすべて1で24ビット。最後のオクテット192を2進数にすると 11000000 で、1が2個あります。24+2=26。よって/26となります。
このように、最後のオクテットが255でも0でもない中途半端な数字になっている場合こそ、2進数に変換して1の数を数える練習が必要です。次章のサブネッティングで、この計算パターンをさらに深く扱っていきます。
CIDR表記は、サブネットマスクの「省略形」。/24は255.255.255.0、これくらいはパッと出せるようにしておこう。ここまでで2-2章の入り口はクリア!次は、ネットワークの範囲を決める「ネットワークアドレス」と「ブロードキャストアドレス」を見ていくよ。