「192.168.1.1」と「10.0.0.1」、どちらも身近でよく見るIPアドレスですが、実はアドレスの「規模」が大きく異なることをご存知でしょうか?
IPv4アドレスには、生まれた当初「クラス」という区分がありました。クラスによって、1つのネットワークに収容できる機器の数が大きく変わります。少し考えてから読み進めてください。
アドレスは「クラス」で仕分けされていた
IPv4アドレスが設計された初期、アドレス全体はクラスと呼ばれる区分にあらかじめ分けられていました。クラスによって、「ネットワーク部」と「ホスト部」の境目(どこまでがネットワークを表し、どこからが個々の機器を表すか)が決まっていたのです。
マンションの部屋割りに似ています。大きなタワーマンション(クラスA)は1棟あたりの部屋数が非常に多く、小さなアパート(クラスC)は1棟あたりの部屋数が少ない。その代わり、タワーマンションは棟の数が少なく、小さなアパートは棟の数がたくさん存在できます。IPv4のクラスも同じ発想で、「ネットワークの数」と「1ネットワークあたりの機器の数」のバランスを、クラスごとに変えていたのです。
クラスA・B・Cの見分け方
クラスは、IPアドレスの先頭ビットを見ることで判別できます。
| クラス | 先頭ビット | 先頭オクテットの範囲 | プレフィックス長 |
|---|---|---|---|
| クラスA | 0xxxxxxx | 1〜126 | /8 |
| クラスB | 10xxxxxx | 128〜191 | /16 |
| クラスC | 110xxxxx | 192〜223 | /24 |
| クラスD | 1110xxxx | 224〜239 | (マルチキャスト用) |
| クラスE | 1111xxxx | 240〜255 | (実験用) |
先頭ビットが 0 ならクラスA、10 ならクラスB、110 ならクラスCです。ビットが1つ増えるごとに「タワーマンションから、より小さな建物へ」変わっていくイメージを持つと分かりやすいでしょう。
プレフィックス長(/8 のような表記)は、先頭から何ビットが「ネットワーク部」として固定されているかを示します。クラスAは/8なので、最初の8ビット(最初のオクテット)がネットワーク部、残り24ビットがホスト部です。ネットワーク部が短いということは、それだけホスト部が長い、つまり1ネットワークに収容できる機器数が多いということになります。逆にクラスCは/24とネットワーク部が長いため、ホスト部はわずか8ビットしか残らず、1ネットワークに収容できる機器数は少なくなります。
特別な127番、そしてD・E
先頭オクテットが127のアドレス(例:127.0.0.1)は、実はどのクラスにも属さない特別な用途に予約されています。これはループバックアドレスと呼ばれ、自分自身を指すために使われます。「自分に向かって手紙を出す」ようなもので、ネットワーク機器が自分自身の動作を確認するテストなどに使われます。
クラスD(224〜239)はマルチキャスト専用、クラスE(240〜255)は実験用の予約領域です。どちらも通常の機器に割り当てるアドレスではありません。
試験でのポイント
CCNA試験では、先頭オクテットの数値からクラスを即座に判定できるかが問われます。A(1〜126)・B(128〜191)・C(192〜223)・D(224〜239)・E(240〜255)、そして127はループバック用の特別な予約アドレスという点は、数値をそのまま暗記しておくのが最も確実です。「126の次はクラスBの128から始まる。127はどちらのクラスにも入らない特別枠」という抜け漏れが、よくある引っかけポイントです。
IPアドレス 172.16.0.1 は、どのクラスに属するでしょう?
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クラスBです。
先頭オクテットが172で、クラスBの範囲(128〜191)に収まっています。クラスBの先頭ビットは 10 から始まり、プレフィックス長は/16。最初の16ビット(2オクテット分)がネットワーク部です。
IPアドレス 127.0.0.1 は何のために予約されているでしょう?
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ループバックアドレスとして予約されています。自分自身を指すアドレスで、機器自身の動作確認(自己診断)などに使われます。
127はA〜Eのどのクラスにも属さない特別な予約範囲であり、通常の機器に割り当てることはできません。「126までがクラスA、127も含めてクラスAでは」と誤解しやすい部分なので要注意です。
クラスの判定は、先頭の数字を見るだけ。A・B・Cの範囲と、127が特別枠だってことを押さえよう。次は、このクラスとも深く関わる「プライベートIP」と「グローバルIP」の違いに進むよ。