OSI参照モデルは7階層でした。では、いま実際にあなたが使っているインターネットも、本当に7階層きっちりで動いているのでしょうか?
OSIは「考えるためのものさし」と説明しました。"ものさし"と"実物"は、少し違うかもしれません。少し考えてから読み進めてください。
OSIは「ものさし」、TCP/IPは「実物」
OSI参照モデルは、通信を考えるための共通の物差しでした。一方、実際のインターネットが動いているしくみは、もうひとつのTCP/IPモデルのほうです。CCNAでは、この2つを対比して理解することが求められます。
TCP/IPモデルは、OSIの7階層を、より実践的な4階層にまとめたものです。OSIとの対応はこうなります。
- アプリケーション層(TCP/IP)= OSIの L5〜L7 をまとめたもの
- トランスポート層(TCP/IP)= OSIの L4 と同じ
- インターネット層(TCP/IP)= OSIの L3 に相当
- ネットワークアクセス層(TCP/IP)= OSIの L1〜L2 をまとめたもの
ポイントは、両端(上と下)はまとめられ、中央のL3・L4はほぼ1対1で対応すること。OSIの上3層がTCP/IPでは1つの「アプリケーション層」に、下2層が1つの「ネットワークアクセス層」に畳まれる、と覚えると整理しやすくなります。
2つを使い分ける
実務では、この2つを場面で使い分けます。OSI参照モデルは、トラブル対応や設計の議論で「これは何層の問題か」を語るときの共通言語。TCP/IPモデルは、実際のインターネット通信が動いている現実のしくみ。どちらかが正しくて他方が間違い、ではなく、役割が違う2つの地図だと考えてください。
OSI参照モデルの「セッション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層」は、TCP/IPモデルではどの層にまとまるでしょう?
答えを見る
答えはアプリケーション層です。OSIの上位3層(L5〜L7)は、TCP/IPモデルではひとつの「アプリケーション層」にまとめられます。
試験では「OSIのこの層は、TCP/IPのどれにあたるか」が頻出です。両端はまとめられ、中央のL3・L4はほぼ1対1——この対応の形だけ押さえておけば対応できます。
OSIは考えるものさし(7階層)、TCP/IPは現実のしくみ(4階層)。両端はまとまって、真ん中はほぼ1対1。この対応だけ持って次へ。次はいよいよこの章の核心、データが旅をする「カプセル化」だよ。