加点評価のマインドで生きる

加点評価のマインドで生きる

幸福について語るときは、まず確認しておかないといけないことがあります。「いま、自分は幸福なのか?」ということです。理屈や指標の話をする前に、まず自分自身の幸福度はどうなのか。そこから始めてみます。

私の過ごした人生は現時点で44年。過去はもう戻らないのですから、今日この日、この瞬間が一番若いわけです。

人間ドックで調べたわけではありませんが、血圧は良好、病気もなく、いま体のどこかが痛むわけでもない。今日の東京はオホーツク海気団のおかげで、真夏なのに最高28度と涼しい。そんな新しい朝を迎えています。

「今日はあれをしなきゃ、これをしなきゃ」――いつもの繰り返しは、時に惰性になります。けれども、お湯はいつでも使えるし、水洗トイレもいつも使える。冷蔵庫には食料がある。

地震で被災した地域の状況をテレビで見ていると、いまいるこの環境を幸せと言わずして、なんと言えばいいのでしょうか。

とはいえ、いま改めてそう思っても、2日、3日とこれが続けば、また「あたりまえの日常」に戻ってしまうのですよね。ありがたみというものは、いつだってこういうタイプなのでしょう。手にした瞬間から、少しずつ透明になっていくのです。

プログラミングの仕事は、いつだって0か1です。

利用時にエラーが起きれば、「このポンコツめ!」と蹴飛ばされてしまう。何十時間も費やして、どれだけ考え抜いたコーディングをしても、必要なときに使えなければ、それだけでポンコツ扱いなのです。

そして同時に、利用者の側は常に「あたりまえに動く」状況でなければ気が済まない世の中になりました。何かひとつ不備があれば、それが減点のようにストレスになる。

つまり、持続可能なウェルビーイングというものは、いまそこにどれだけの幸せがあるかを加点評価できるマインドがないと成り立たないのだと思います。減点評価のマインドでは、いつだって不機嫌で、いつだって物足りず、いつだって不幸せを背負ってしまうのでしょう。

亡き美輪明宏さんが言っていました。「いまからすぐに幸せになる方法、それは感謝をすること。感謝をしてごらんなさい。周りに数えきれないくらいの感謝があるでしょう」と。これはまさに、加点評価のマインドに基づく言葉だと思うのです。

足りないものを数えるのではなく、すでにあるものを数える。

ここで、この夏やりたいことをひとつ。Amazonで売っている焼き鳥専用のコンロを買って、それで焼き鳥をして、ビールをぐびっと飲みたい。ただ問題は、煙が出るのでベランダでは近所迷惑になることです。

都内でこれをやれる場所は、そう簡単には見つかりません。事務所でやってもいいのですが、においがこびりつくでしょうね。できるできないはともあれ、こういう小さな「やりたい」を持てること自体、幸福度の追加点ポイントなのかもしれません。そして自在にできるようになったら、それもまた透明になっていくことを忘れてはいけませんね。

東京にいると、情報量が多すぎてしんどくなります。

3日ほど前、AIの力で新しい天体がたくさん見つかった、というニュースがありました。もし仮に、AIの力で宇宙の中に地球のエネルギーに匹敵する豊富な資源が見つかって、二酸化炭素も出さず、どれだけ使っても尽きない永久炉のようなものが手に入ったとしても――それでも、加点評価のマインドを身につけなければ、幸福というものはずっと手に入らないのかもしれません。

資源やテクノロジーがどれだけ進んでも、幸福を決めるのは、結局のところ「いまあるものをどう見るか」なのだと思います。いまが一番若い今日。まずは冷蔵庫の中の食料と、いつでも出るお湯に謝します。

  • #幸福
  • #ウェルビーイング
  • #感謝
  • #加点評価