生産年齢人口と働き手

Working-age Population

働き手の中心・生産年齢人口 ― 15〜64歳、約7,350万人

経済の話に「働き手」という言葉が出てきたとき、統計の世界では年齢で区切った特定の集団を指していることがほとんどです。それが生産年齢人口(15歳から64歳までの人口。働き手の中心とみなされる年齢層として、統計上使われる区分)です。

日本の生産年齢人口は、約7,350万人です(総務省「人口推計」)。総人口約1億2,295万人のうち、およそ6割がこの年齢層にあたります。

なぜ15〜64歳という区切りなのでしょうか。義務教育を終えておおむね働き始められる年齢が15歳、公的年金の受給が本格化する目安が65歳、というところから設定された、いわば統計上の約束事です。実際には15歳で働いている人はほとんどいませんし、65歳を過ぎても働き続ける人は大勢います。あくまで「目安の線引き」だと捉えておくと、この先の数字も読みやすくなります。

これからの減り方 ― 20年で1,000万人以上減るペース

この生産年齢人口は、これからどう推移していくのでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所(令和5年推計)などの政府資料による将来推計を見てみましょう。

生産年齢人口(15〜64歳)
2030年6,875万人
2040年5,978万人
2050年5,276万人

出典: 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」令和5年推計ほか政府資料

2030年の6,875万人から2050年の5,276万人まで、20年間でおよそ1,600万人減る計算です。1年あたりに直すと80万人前後のペースで、20年で1,000万人以上という規模の働き手が減っていくことになります。これは、ある年の新入社員がまるごと一つ、また一つと消えていくような減り方だとイメージすると、規模感がつかみやすいかもしれません。

それでも就業者数が保たれてきた理由 ― 高齢者と女性の力

生産年齢人口がこれだけ減っていくと聞くと、実際に働いている人の数もどんどん減っているように思えます。ところが、現在の就業者数(実際に仕事に就いている人の数)は約6,860万人で、生産年齢人口の減り方ほど急には落ち込んでいません。

理由は、15〜64歳という枠の外や、これまで働く人が少なかった層から、働く人が増えてきたからです。具体的には、65歳を過ぎても働き続ける高齢者と、仕事に就く女性が増えたことが大きく効いています。定年後も働き続ける人が珍しくなくなり、子育てをしながら仕事を続ける女性も増えました。生産年齢人口という「土台」は縮んでいても、その土台の外から働き手が加わることで、就業者数の落ち込みがこれまでは和らげられてきた、という構図です。

ただし、これは無限に続けられる補い方ではありません。高齢者も女性も、就業率にはいずれ天井があります。土台そのものが縮み続ける中で、この補い方がいつまで効くのかは、この先の日本経済を考えるうえで注目すべき点です。

もっと深く ― 生産年齢人口と労働力人口の違いDEEP DIVE

ここからは、基礎の一歩先の話です。読み飛ばしても本筋は追えます。

「年齢で区切る」統計と「働いているかどうか」で区切る統計

ここまで見てきた生産年齢人口は、年齢だけで区切った人口の分類です。実際にその人が働いているかどうかは問いません。15〜64歳であれば、学生でも、専業で家事を担っている人でも、療養中の人でも、生産年齢人口には含まれます。

これに対して、労働力人口(実際に働いている人と、働く意思があって求職活動をしている人を合わせた人数)という統計もあります。こちらは年齢の枠を問わず、「働いている、または働こうとしている」という状態で数えます。65歳を過ぎて現役で働いている人は、生産年齢人口には含まれませんが、労働力人口にはしっかり含まれます。

2つの統計は似ているようで、ものさしが違います。ニュースで「働き手」の数字を見たときは、年齢で区切った話なのか、実際の就業・求職状況で区切った話なのか、一度立ち止まって確認すると、数字の意味を取り違えにくくなります。

考えてみるTHINK
Q1

職場や店で「働き手の顔ぶれ」は10年前と変わったでしょうか?

ヒント: 年齢層・性別・働き方(パート・正社員など)のうち、変わったと感じるものを挙げてみましょう。

Q2

働き手の減少を補う方法は、何通りあるか思いつく限り挙げてみましょう。

ヒント: このページで見た「高齢者」「女性」以外にも、担い手になりうる存在はないでしょうか。

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