メーカーも種類もバラバラのPCやスマホが、なぜ世界中どことでも問題なく通信できるのでしょう?
WindowsもMacもAndroidも、別々の会社が作っています。それでも通信できるのは「ある工夫」のおかげです。少し考えてから読み進めてください。
通信には「共通ルール」がある
答えは、あらかじめ「通信のやり方」を共通のルールとして決めてあるから。この設計図を、ネットワークの世界ではモデルと呼びます。
モデルの最大の工夫は、複雑な通信処理を階層(レイヤー)に分けて整理したことです。各階層は自分の仕事だけに集中し、隣の階層とは決まった形でバトンを渡す。これだけで、全体がぐっとシンプルになります。
手紙を出すときを思い浮かべてください。あなたは文章を書く。封筒に入れて宛名を書く。郵便屋さんが配達する。その下では道路や乗り物が動いている。あなたは郵便の内部のしくみを知らなくても、手紙は届きます。各担当が自分の役割だけ果たせば、全体が回る。これが「階層に分ける」という発想です。
階層に分ける2つのメリット
階層化の利点は、大きく2つあります。
ひとつめは、役割分担で全体がシンプルになること。ひとつの巨大な処理を考えるより、小さな役割に分けたほうが、設計も理解もしやすくなります。
ふたつめは、ある階層の技術が変わっても、他の階層に影響しないこと。たとえば通信ケーブルを光ファイバーに変えても、その上で動くWebブラウザは何も変える必要がありません。担当が分かれているからこそ、一部だけ入れ替えられるのです。
この「階層で考える」という視点は、これから学ぶOSI参照モデルやTCP/IPモデルの土台になります。まずはこの発想だけ、しっかり持っておいてください。
通信ケーブルを新しい規格に変えても、Webブラウザを作り直す必要がないのはなぜでしょう?
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通信が階層に分かれていて、各階層が独立しているからです。ケーブルは下のほうの階層、Webブラウザは上のほうの階層の担当。担当が分かれているので、片方を変えてももう片方に影響しません。
これが「階層化のメリット」のひとつ、ある階層の変更が他に波及しないという性質です。
通信は「階層に分けて」整理されている——これがこの章のいちばんの土台。手紙のたとえみたいに、各担当が自分の仕事だけすれば全体が回る。次は、その階層を世界共通でどう決めたか「OSI参照モデル」を見ていくよ。