チャンスがきたら、必ずものにしなければならない。

チャンスはそう簡単に巡ってこない。僕はチャンスを棒に振り、さらに別の要因で苦しむこととなります。書き終わって、チャンスを取りこぼした「罰」のようにも思えました。

過去の記憶 Case 5:モテ期到来……そして

23歳まで、このように恋愛に対して失敗し、嫉妬で苦しい思いをしてきたわけですが、24歳から3年間、おかしなことになります。

それが、人生に3回はあると言われている「モテ期」到来です。

いままでこちらから積極的に仕掛けないと、告白までたどり着かなかった自分なのに、急に女性が向こうから寄ってくるわけですね。月収10万円しかなかった人間が、宝くじ10億円を当てたようなもの。免疫がないので、それはそれは有頂天になりました。職場もプライベートも彼氏のいない自分好みの女の子がまわりにたくさんいる環境。いろんな女性と食事に行きました。

幸い、もともと自滅してしまうくらい優しい人間なので、左から右の女の子すべて関係を持ったということはなく、結果的に誰も好きになれなかった、というのが正解です。それこそ、いろいろな女性と食事や飲み会ができること自体に、楽しさを感じていました。幹事パワーを一番発揮した時期だったかと思います。写真の枚数が物語るように、毎日が楽しかったですね。

ただ、そんなモテ期を活用できず、神様からのプレゼントを水の泡としてしまいます。この時期は、女性友達がMAXなとき、女性に頼られる自分に恋していた、というのが適度な表現となりましょうか? 自分の楽しみだけに投資した時間というものは、必ず終わりを迎えます。

それが、次の出来事。

過去の記憶 Case 6:よくわからない

同じ職場の女友達が自殺しました。

なんで死んだのか、真相はいまでもわかりませんが、10年経過したいま、なんとなく事実は突き止めました。板挟みの仕事、誰も救ってくれない職場環境、そしてマリッジブルー。

隣のデスクにいた人が「死んだ」という事実。その子とは、亡くなる二ヶ月前ぐらい、仕事終わりの流れで、安いイタリアンレストランに行きました。

どうして気づかなかったのか……彼女がトイレに行って、10分ほど帰ってこなかったんです。あのときから様子がおかしかったと、どうして気づかなかったのか、いまはしょうがなかったと忘れるようにしていますが、もう僕が死ぬまで忘れないでしょう。自分が死んであの世で会ったらとしたら、答え合わせをしたあと、ビンタ1発食らわせたいと思います。

その女友達とは、恋愛関係を持つ間柄ではなく、純粋に仕事の終わりに食事をしただけではありましたが……俺とサシで酒を飲んだのに、死ぬなよな。

自殺を受けて、人間ってなんだ? と考えるようになりました。

小さな棺桶。そんな背が低かったか? デスクの上に一輪の花が置かれました。社内ポータルに訃報が流れます。最初に彼女のお父さんから電話を受け取ったのが僕。あのお父さんの声はいまでも耳に残っています。

その子の仕事のほとんどは僕が引き継ぎました。意味不明なAccessのVBAを修正し、Webサイトをひとつ作って、彼女の仕事を全部さばきました。

「こんな無理な仕事1人でやるんじゃねーよ」

皮肉なことに、人は死んでも世界は動きます。その虚しさがひたすら続いた記憶がありました。誰かを好きになるというのが、そもそも喪失した期間でしたね。

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